潘家園旧貨市場/朝鮮芸術品専売 訪問記

1.今行ったって買えないよ

 ni-chika同志のブログ(ここのPIKS blog)の2005年11月7日付けに掲載されていた「潘家園旧貨市場/朝鮮芸術品専売」を初訪問した。これに北レスと朝陽区瑞秀賓館内の「Pyongyang Art Studio」を加えれば、北京市内北朝鮮ツアーが完成するんである。

 4月17日(月)朝、タクシーに乗り込んだ私が「潘家園旧貨市場」を指示すると運転手は「お客さん、モノを買いに行くのかい?」と言う。ヘンなこと聞くもんだとは思ったが、「そうだよ。」と言うと、「お客さん、今行ったってモノなんか買えないよ。」と言う。

 運転手はいろいろと教えてくれるのだが、なぜ今はダメなのか、私の貧弱な中国語能力ではわからない。少なくともお休みではないことはわかったので、ワケわからんながらも行ってもらうことにした。
 
 20元程度のタクシー料金で到着。朝鮮芸術品専売のある現代収蔵楼2階に上がる。しかしほとんどのショップは閉まっており、目指す朝鮮芸術品専売もすぐ見つかったのだが、やはり閉めている。
 
朝の9時という時間帯、市場は当然営業しているものと思っていたのだが、そうでもないらしい。たまたま近くにいた掃除のオバさんも「来るの遅いからねえ。」なんて言っていた。ショップの中を覗くと向かって左半分が北朝鮮グッズのようだ。総書記の軍服姿とかVCDとか朝鮮画なんかが並んでいるのが見える。右半分は文革グッズだな。

また午後来てもいいんだが、せっかくなんでちょっとブラブラしていこっと。
   
2階はほとんどがこういうグッズを扱う店だ。文革グッズも各種取り揃えてお待ちしてくれるのだ。しかし開店していた数少ない店にもロキロキ系の商品が多々見受けられる。おおおおっ!!賞状!!革命的!!おおおっ!!肖像画!!デカい!!高さ150センチはあるぞっ!!四人組を粉砕すると人はこんなにヨい表情になるのだなっ!!そしてっ、溢れる毛沢東語録!!す、素晴らしすぎる!!さっきの掃除のオバさんがヘンな目でこっちを見ているぞっ!!

 スマン興奮してしまった。世の中にこういう人種がいるからこそ、ここは成り立っているわけだ。まだ朝だし、ほかの北朝鮮っぽいもの探しに望京に行こうかなっと。
2.私は分会長ではありません

 午後2時に再訪。今度は開いていた。中には3名いたが、若い女性1名と若い男性1名がお店の人のようだったので、ちょっと話を聞いてみた。その結果わかったのは

・お店にいた沙という姓の若い女性が社長
・沙社長は漢族であり、朝鮮語はできない。
・ここの北朝鮮商品は沙社長が朝鮮に行って買ってきたのではない。
・沙社長は朝鮮に行ったことさえない。
・朝鮮によく行く人が買ってくるのだそうな(誰だってーの)。
・ni-chika同志のブログにあるように、ここは朝鮮友好協会中国分会を兼ねている。
・でも分会長は別におり、沙社長は分会長ではない。

 なんだか沙社長はいちにち社長といった雰囲気だが、朝鮮友好協会中国分会を兼ねているわりには、商品は行商人のようにその都度中国人が北朝鮮から運んでくるのだという。店頭には、ある個人が太陽節(故金日成主席の誕生日)に招待された時の個人名入り招待状も陳列されていたが、それは非売品だといって引っ込められてしまった。

 せっかくなんでちょっとだけ買い物してみた。
           
 これは何かというと、まあ見てのとおりなんだがご両人の顔が赤旗上に乗っかっていて、旗がはためいているというものである。高さ10センチくらい。これが300元(約4200円)だと。

 あともう一つ、ご両人が戦車をバックに朝鮮人民軍兵士達に訓示をたれている今年の1枚モノカレンダー。金日成主席が銃を手にしながら「おまいら気合足らんのちゃうんかおおおおっ!!舐めとったらしょーちせーへんぞこらあーっ!!」と檄をとばすと、兵士達は「おおおおーっ!!やったろやないかいいーっ!!」となぜか関西弁で気勢を上げている趣である。それが50元(約700円)だと。

 ここは中国なんで向こうの言い値で買う必要などみじんもない。合計350元(約4900円)のところ、値切って250元まで下げたが、沙社長が「中国では250は良くないから260にしてくれ。」と言い出し、260元(約3600円)で妥結した。「250」にはバカとかマヌケとかいった意味がある。でも250がダメだって言うんなら、240にしておけばよかった。またしても中国人にやられた。

 沙社長が「日本人はこれが好き。」と言って指差したのはバッジだったが買わなかった。値段はモノによって300元から。また客層としては日本人と中国人が半々。韓国人は来ないと言っていた。

 帰り際、「今後来るときは満洲の明信片(絵葉書)と日本刀持ってくれば買ってあげるよ。」なんて言っていたが、刀はムリだろう。でもまあ商売っ気のある女性ではあった。お店のPCに強制的に「北朝鮮っぽいの好き」TOPページをブックマークしてきた。当面、付き合いが続きそうだ。(2006.4.17訪問)

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