CAPTAIN同志の銀畔館開店早々レポ

 北京在住のCAPTAIN同志から、開店したばかりの銀畔館レポが届きましたので掲載します。青字部分が私のボケです。

 「Kの会北京支部」いよいよ本格始動です。9月9日。北朝鮮の建国記念日。またきっと特別なことがあるかも知れない。そう思いながら会員4名は「銀畔館」へ乗り込んだのでありました。

 ちなみ9月9日は毛沢東の逝去記念日でもあるのですが、花金で会社の中国人スタッフ達は今晩の食事やらカラオケやらに話しの花を咲かせていましたので、「今日は騒いじゃいけないんでしょ?おとなしくしてなきゃ。」と言ってもみんなキョトン。「皆さんの偉大な指導者毛沢東主席の逝去記念日でしょ。」と言うと皆口々に「忘れてた。」海棠花を見習え〜(7月8日訪問記参照)!、朝鮮人民を見習え〜!!


1.「銀畔館」の由来

 「銀畔館」とはピンと来ない名前ですが、実は「銀盤館」が正しい名前のようです。パンフの裏にも写真が出ていますが、平壌のスケート競技場の1階に「銀盤館」というレストランがあり、その北京分店として出店。

 実はこの店は以前に「妙香屋」という名の北レスとして営業していたようですが、今の接待員同志達が今年3月に北京へ来たと言っているところを見ると、3月か4月頃の改名開店なんでしょう。接待員同志に「皆さんスケート選手出身ですか?」と聞くと笑いながらずっこけてました。冗談で聞いてんだから本気にしないでよと言いたい所ですが、とにかく可愛い。

 平壌のスケート場の1階に「銀盤館」というレストランがあることは知りませんでした。あのエリアには清流館という船の形をした有名なレストランがあるのですが、最近はあまり連れて行ってくれません。「平壌銀盤館」、次回の訪朝でリクエストしてみたいと思います。「全員スケート選手なのか?」ってボケは平壌でも使ってみます。


2.北朝鮮サッカー選手団で盛り上がる店内

 予約をして行ったら、個室の方に通されそうになったので、舞台の前がいいと席を移動。うまい具合に舞台まん前の席に陣取ることができました。ホールは結構大きく、100人くらいは収容できそうで個室も7、8部屋くらいあり、北レスとしては中規模クラスです。

 料理の方は、海鮮チジミ、包みキムチ(パンフにも載っている)、ロース焼肉、アヒル焼肉、クジョルバン(九折板)の具だけ、イカの辛子炒め、平壌温飯、冷麺を注文。先日の北京柳京餐庁でハマグリに味をしめた同僚のT同志がハマグリの蒸し焼きを所望するが、この店にはなし。

 公演は7時半からで、この店はカラオケ方式。民族服の同志は1人しかおらず、写真の通り制服姿でのステージです。この日、ホールの半分ほどの席を北朝鮮サッカーチームの選手が占めていて、最初はおとなしく食事していましたが、公演が始まり、アリランから始まり4曲くらい歌ったところで、場内乱闘ならぬ店内歌合戦が始まってしまいました。

 接待員達が客席に下りて、選手を1人ずつデュエットに誘い始めると最初は恥ずかしがっていた選手達も徐々に乗って来て、次々と歌い始める始末。そのうち引率者と思しきパンチパーマとリーゼントミックスの髪型のおじさん(写真参照)まで出て来て、小指を立てて歌を歌うし、舞台に上がって熱唱を始める選手も出てくるし、もう収拾がつきません。

 我々が日本人だとわかって、在日のコーチがやって来て色々話しかけて来るのですが、歌声が大きくて殆んど話が聞き取れず。でもこれからペルーへ遠征するんだとか、あいつは金の卵だとか言うようなことをしゃべってくれました。選手達がコカコーラを飲んでいたので、「あんなアメリカ帝国主義のもの、飲んでいいんですか?」と聞いたら、普段は炭酸飲料は飲ませないんですが、今日は特別だと言ってました。その間にも歌合戦はエスカレートし、あまりに収拾がつかないもんで接待員同志の1人がエレクトーンの演奏を始め、強引に歌合戦の幕を引いてしまいました。

 おおおおっ!!なんという幸運!!これはペルーで開催されるサッカーU−17選手権に出場する北朝鮮代表選手達でしょう。ここで見られますが、北朝鮮の緒戦は9月17日でなんと対戦相手はアメリカ!!コーラを飲んでいたってのはまず敵を知るためとか?帝国主義に屈しない強い精神力を養うために3本くらい飲んじゃったりして?

 しかしパンチ&リーゼントオヤジ(略してパンチリオヤジ)はいい味出してますな。小指立ててるっていうよりは「オレのスケがよ〜。」と彼女自慢をしているようにも見えますね。ところで在日のコーチってのはここの「Coach」で見られる朴ヒサム氏のことでしょう。また「金の卵」というのもここ「Star player」で見られる崔明浩(音訳)選手のことかも知れません。崔選手は中国メディアに「コリアンロナウド」と絶賛されたと書かれていますね。

 ところでここはワールドカップ応援サイトからいつの間にか東アジア選手権総合優勝お祝いサイトに変貌してしまいましたが、U−17は取り上げるんでしょうか?ただ調子がいいと掲載しても負け始めるとフェイドアウトするという傾向があるからなあ・・・でも期待しましょう。

 しかしU−17にして、北朝鮮選手団はすでにK-oyajiの素質十分ですな。歌好きなのはともかく、明日のことなど考えずに何事も収拾がつかなくなるまでやるってのもK-oyajiの特徴ですし。


3.やっぱり普通の人間

 歌で盛り上がる若い選手達。まだ殆んどがティーンエイジャーで日本の高校サッカー選手と変わりません。接待員同志達も我々のテーブルについてくれた李同志(なんと18歳)をはじめ、かいがいしく、まめまめしくご奉仕(アルトゥルサルトゥルハンボンサ)してくれるし、歌はさすがに音楽大学出身だけあって上手だし、それに共通するのは人間の持つ純粋さです。

 映像で伝わってくる北朝鮮は緊張した国のように扱われていますがこの目で彼等を見ている限りでは、善良で純粋に見えます。サッカー選手達はこれから海外で故国に錦を飾ることを夢見て猛烈に頑張るんでしょうし、接待員同志達は3年間1度も帰国することなく外貨稼ぎに励むわけですが、そういった国家から与えられた使命を全うしながら時折見せる本音の一面を見るたびにいつも愛おしさを感じ、ほっとします。

 なんだか接待員同志達が林立しているといった趣きの画像ですね。バックは海金剛みたいですね。ときどき訪朝した人が「平壌はピリピリと緊張していた。」なんて発言してますが、のんびりしているとおもうけどなあ。緊張しているのは自分の方なんだと思います。北レスもすでに人材が一回転しているわけで、帰国後の同志達に平壌で偶然会ったりしたいなあ。


4.可愛いぞ、李同志

 この日、公演のオープニングを飾ったのは我々のテーブル担当の李同志。その後もソロにコーラスにと大活躍。健気に歌う姿に同僚のT同志も「指さし会話帳」を手に「テダナムニダ(すばらしいです)。」「カムドンヘッスムニダ(感動しました)。」を連発。そういえばパンチ&リーゼントとデュエットしてたのも李同志だった。帰りに店の入り口で写真を一緒に撮らせてもらったのですが、何と、腕を組んでくれました。しかも向こうから。この世に羨むものなし。でもその写真、家族に見せられない。

 おおっ!!腕なんぞ組んでもらってうらやましッス。右の画像は女性同士腕を組んでますが、日本にはこういった習慣がなく、はじめてだと驚くみたいです。

 建国記念日で、店中には国旗が飾られ、オープニングは「金日成将軍の歌」を歌い、特別な料理がサービス(ただ)で、なんて期待して行ったのですが、ごくフツーでした。首領様の逝去記念日の海棠花も拍子抜けでしたが、北レスもあんまり期待するほど、特別行事はやらないようですね。

 特別な料理がタダってのは難しいと思いますが(笑)、祝日の格としては太陽節(金日成主席の誕生日)と金正日総書記の誕生日がTOPなんだろうと思います。

 先日平壌に行った時に、商売をしている人が「この仕事は8月15日(光復節)までに片付けたかったんだが、この分じゃ10月10日(労働党創建記念日)だな。」なんて言っていましたが、こういう節目にも祝日は使われるみたいですね。我々で言えば「お盆までには形を作りたい。」とか「この分じゃ年を跨いでしまう。」みたいな感覚なんでしょう。


 銀畔館はなかなか楽しそうですね。平壌氷上館のそばには清流館、ハンバーガーショップ、蒼光山ホテル、平壌体育館(冬季に室内マスゲームが行われる)といった施設がありますから、そういった話題も出してみたいと思います。この項、画像すべてCAPTAIN同志提供による。

                                          (2005.9.9.訪問)

             TOPへ    北レスTOPへ  北京銀畔館TOPへ