こんなに遠くて大丈夫!? 平壌高麗館試験営業中

 今回の北京訪問(2006年4月)で発見したんだが、北京在住中国人向けの情報誌「ハンウルタリ」 の広告に北レスが多数。中でもおろろいたのは「平壌高麗館」である。最上部に立派なロゴマークさえ見えるこの平壌高麗館、広告には「内外の同胞の皆様が民族愛と同胞愛を感じることができる」などど書かれているが、所在地が通州区なのである。

 通州区はなんとなく知ってはいたが行った経験はなく、地図で見ると北レス集中地域である朝陽区の東側である。幸い広告に地図も掲載されていることだし、タクシー拾って行ってみることにした。

 ところがタクシーの運転手が誰も行きたがらないんだこれが。広告の地図見せながら「ここ行ってくれ。」と言っても4人連続断られ、5人目の運転手に「用事はすぐ終わるし戻りも乗るから。」という条件を提示しながら強引に乗り込み、やっと行くことができた。

 地図を見ると「国貿」=「国際貿易センター」から新華大街を真っ直ぐ行ってその後北京財政学校を目指せばなんとかなりそうな気もするが(このページ最下部名刺の地図も参照)、そんなに通州区って行きたくないんだろうか。

 運転手は携帯で会社だか運転手仲間だかに場所を教えてもらいながら探してくれた。北京からは「京通快速路」という高速道路が通じているのだが、それを経由して迷いながら迷いながら、朝陽区の京九中心から40分ほどかかってしまった。

 通恵北路から少し入ったところで発見。入り口にゲートがかかっていた。これがなかったら永久に発見できなかったのではないかと思われる。

 外観。ゲートには「高麗民芸(北京)餐飲有限公司」という会社名が書かれているが、これが中国側の合弁相手だろう。また向かって右の画像には赤地に黄色で「試営業」と書かれている。

 午後3時半という時間帯ではあったが、中に人の気配がしたので入ってみた。1階で調理師らしき白衣の女性が食事をしていた。右側に階段があり、ちょうど赤と黄色のチマチョゴリの女性が2階から降りてきたところだった。2階にも客がいるらしかったが、少し話を聞くこことができた。

私「(雑誌の広告を見せながら)この広告を見て来ました。」
同志「オモ!!ありがとうございます。まだ試験営業中なんですよ。」
私「歌は歌うんですか?」
同志「お客様がいらっしゃれば歌いますが・・・7時くらいからになると思います。社長が2階にいますがご紹介しましょうか?あっでも今食事中ですねえ。」

私「お食事中でしたら遠慮します。ところで市内からずいぶん遠いんですね。」
同志「そうですねえ(あとは笑って答えず)」
私「みなさん平壌から来られたのですか?」
同志「そうです。全員平壌首都圏から来たのです。中国人ですか?朝鮮語お上手ですね。」
私「日本人です。北京に遊びに来ているのです。」

 タクシーを待たせていること、2階に客がいることもあって、少しだけ同志と話して帰ることにした。彼女達はお店が北京の中心部から離れているという認識はあるようだが、通州に開店した理由については何も知らないのだろうという印象を受けた。1枚だけ同志の写真を撮らせてもらった。向かって左の同志と話をしたのだ。
 2階の社長はたぶん関係者を招待してご馳走を振舞っていたのではないか?中国では開店前の儀式としてよくあることである。一人の食事にしては頻繁に同志達が1階の厨房と2階の客席を往復していた。ただ立地については大いに疑問で、ここに大規模なコリアン居住区でもあるのだろうか?市中心部から最も遠い距離にある北レスと認定せざるを得ない状況下、私のような北レスファンが来るのをじっと待っているわけでもなかろう。社長の名前の入った名刺ももらったが、朝鮮族のようである。

 本営業前にすでにお店の将来に一抹の不安を抱かざるを得ない状況であるが、機会を作って一度夜に行ってみたい。その前にいかにタクシーの運転手を口説き落とすかという難関があるが。この日は結局タクシー往復109元かかってしまった。

                                      (2006.4.17訪問)                 
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