ご奉仕中はご遠慮ください/長春仁風閣2005年3月訪問記
3月20日、私は「北朝鮮っぽいの好き長春駐在員」と夕食を共にする約束をしていた。現在のところ長春には2軒の北レスが存在し、私はこじんまりとした妙香山の方が好きなのだが、駐在員は仁風閣の方がお好みのようだ。前回(2004年8月)は夕方5時にはすでに満員で入場できなかったが、今回は6時現場待ち合わせで難なく入ることができた。難なくとはいえすでに8割方埋まっており、相変わらずの繁盛ぶりである。ステージではギターの弾き語りがすでに絶好調である。
以前紹介したように、ここの特徴は慈江道から来た接待員同志達がピアノやギターで歌ってくれるのだが、それがホールの中央に設けられたステージで行われ、BGMのような扱いを受けていることである。
そのあたりが北レスの中では異色の存在であり、私は今イチ乗り切れないのだが、現地の中国人は高級感のある仁風閣の方がお好きなようである。ところで仁風閣は2005年1月下旬に発売された「地球の歩き方
大連と中国東北地方 05〜06」に写真入りで紹介されている。その時の衣装は赤一色のチマチョゴリだったが、この日は赤と白の二色だった。とても鮮やかな配色。デジカメ画像を一枚撮ろうと近くにいた同志に歩み寄り「チマチョゴリがとても綺麗なんで一枚撮っていいですか?」と問うと、「申し訳ございません。ご奉仕中は写真はご遠慮ください」との意外な回答だった。
丁寧な言葉遣いではあったが表情は固く、毅然とした態度であった。奉仕中(仕事中)がダメだったら仕事終わるのを入り口の所で待てっちゅーんか?それじゃ追っ掛けかストーカーちゃうんか?という何故か関西弁による心の叫びはともかく、前回は撮らせてくれたのに、いったい何があったのか?
何度も言うようだが北レス取材の原則は、彼女達の嫌がることはしないことだ。よって食い下がるようなことはせず、撮影は遠慮した。ちなみにこの同志は「地球の歩き方」に顔写真が掲載された同志である。メジャー誌に掲載されたので、来る日本人客が皆写真撮りたがって仕事にならんとか?長春は進出してる日系企業もそれほど多くないのだが、最近は東京と仙台から定期便あるしな。
というわけで仁風閣では濃密な接触は望むべくもないのだが、ふと気がつくとギター弾き語りの同志はすでに一時間以上弾いている。これってプロのミュージシャン並の長さじゃないか?いやプロといえば確かに彼女達もプロなんだが。
途中で流れてきた「三大自慢の歌」を口ずさんでいると、さっき撮影拒否をした同志がそれに気づき、「おや、この曲をご存知なのですか?」というので「私が一番好きな曲です。『三大自慢の歌』でしょ?」「はい、そうです。よくご存知ですね。」とにっこりしてくれた。忙しいこともあって笑顔があまり見えなかった彼女だが、最後にいい笑顔を見ることができてよかった。おっとこの時に写真撮らせてもらえばよかったな。失敗した。
というわけで善意に解釈すれば食事に専念できたとも言えるこの日の北レス調査だが、食事は文句なくおいしかった。ユッケ、ハタハタ焼き、ミョンテのスープ各1、ハイネケン2本、冷麺(大)2杯で109元。満足した。ところで冷麺のスープって、頼めばタダで追加分がもらえるんだな。知らなかった。長春駐在員が教えてくれた。ちなみに長春駐在員は延辺出身の朝鮮族である。帰る頃にはナマBGMがギターの弾き語りからピアノ演奏に変わっていた。
(2005.3.20訪問)
堂々たる仁風閣の外観。中央は入り口近くにある中朝国旗。右が冷麺スープ(中国語で冷麺湯)である。
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