こころの叫び in 北京/北朝鮮レストランふぁんくらぶ第3回オフ会報告


6月29日、上海妙香館にて開催された北朝鮮レストランふぁんくらぶ第1回オフ会。8月4日に第3回を迎えることになった。私の気まぐれで会場に指定されたのは北京柳京冷麺。フレンドリーで気さくな同志達が頼みもしないのに寄ってきてピコピコハンマーで客をピコピコしてくれたりなんかする北レスである。しかし、事態は思わぬ方向に・・・
1.裏切りの街角

 2007年8月1日、私は5時間遅れの中国国際航空機で北京首都空港に降り立った。何のためかというとそれは仕事である。現在夜12時半。これから雨の中バスで市内の西、動物園近くにあるホテルまで50分かけて行くのかと思うと正直辛いものがあったが、3日後の4日、北京柳京冷麺で開催される第3回北レスふぁんくらぶオフ会という大きなお楽しみを思うと、その程度のことは吹き飛んでしまうのだった。

 8月4日、この日の仕事を終え、ロキロキしながら会場へ向かった。しかし、そこで見たものは・・・

ハレ?なんだか人の気配がないような・・・

こっ、これは・・(このお店を)貸しますの表示

中は荒れ放題じゃないかあー!!


 フレンドリー北レス、柳京冷麺は私の知らないうちにその歴史に幕を降ろしていたのであった。隣は朝鮮族のママのいるナイトクラブ、「パラダイス」であるが、そのママに聞いたら「一ヶ月ほど前に閉店した。」とのこと。「そっ、それってどこかに引越したとか?」との問いにも「祖国に帰った。」との回答。

 なんということだ・・・。大きな失意の中で本日参加の北レスふぁんくらぶ会員を待つ。本日参加はCAPTAIN同志、ろでぃ同志、真由美同志、りゅうき同志、そして初参加のoyamei同志である。全員の到着を待ち、閉店の事実を告げる。なんとりゅうき同志は昨夜隣のパラダイスで飲んでいたにも関わらず隣の柳京冷麺の閉店には気づかなかったそうな。

2.こころの叫び

 急遽方針転換。朝鮮大使館近くの銀畔館へ向かうことにする。銀畔館は2005年8月、CAPTAIN同志により北京市内で発見されたもののほどなく閉店。しかし2006年8月、現在地で移転営業していることがCAPTAIN同志により確認されたのである。実は私はいまだ訪問したことがなく、柳京冷麺の突然の閉店により初訪問のチャンスが巡ってきたわけである。

 ところで今回の中国出張だが、当然ながら相手側の中国人がいる。中国人は外国からの客を度の強い酒でもてなすことが礼儀だと考えている節があり、夜はなかなか離してくれない。今回も白酒どころかマオタイ酒まで持ってきて飲めと勧められた。付き合い上断るわけにもいかないのだが、酒の付き合いはオフ会以前になんとか済ませて4日の夜を空けることに成功したのである。まさにこころの叫び。北レスにかけるオレのこころの叫びが通じたのかもしれない。

 銀畔館では2階個室に通された。担当は李同志。スラッとした上品そうな同志である。私は明るくにぎやかな女性が好みなので、美人ながら大人しそうな李同志を見てもそれほどロキロキ感はなかったのだが、それはヨい意味で裏切られることになる。あとで書く。

 アヒル焼肉、ハタハタ、ナクチ焼き等を注文。ここでナクチ焼きとは何か?メニュー画像をご覧いただきたい。

「ナクチ焼き」と書かれている

「お好み」と書かれている

 「ナクチ」とは韓国ではタコのことだが北朝鮮ではイカのことであり、いつの間にか入れ替わってしまったという説があるが、このメニュー画像を見る限り、「ナクチ=イカ」である。ってことはやはり南北で意味が違うのである。実際に注文して食べてみたが、やはりイカであった。また今回は注文しなかったがお好み焼きもメニューに見える。大手チェーン店よりも角のオバちゃんのお店の豚玉の方が美味しい(時々のモダン焼きがぜいたく)というのが私の持論だが、北レスのお好みも一度試してみたいものだ。個人的にはマヨネーズは網の目状にデラデラかけた方が好きだ。

3.beautiful energy

 銀畔館、そして李同志との新たな出会いがあったとはいえ、いまだ柳京冷麺ショック覚めやらぬ私。李同志に聞いてみた。

あんでんだ「さっき柳京に行ったら閉店してたよ。」
李同志「一ヶ月ほど前に閉店し、みな平壌に帰ったのです。」
あんでんだ「うー残念だなあ。どこに行ったら会えるんだろう?また会いたいなあ。」
李同志「柳京の同志は誰を知っていますか?」
あんでんだ「朴○○同志、金○同志、金○○同志、廉同志・・・」
李同志「みんな知っています。今平壌市内にいるはずです。」

 実は数ヶ月前に柳京を訪問した時に撮影した同志達の画像をプリントアウトし、渡そうと持ってきたのだ。この話を李同志にすると・・・
李同志「では私にお預けください。いつか私が帰国する時にお渡しします。」

 たぶん李同志は、柳京の同志達が現在平壌のどこに住んでいるのかまでは知らないのだと思うが、私のロンリーハートを慮ってケンチャナヨ的に受けてくれたのだろう。ありがとう。李同志。

 今回で3回目を迎えた北レスふぁんくらぶオフ会。初参加のoyamei同志を加えて北レスの話題、最近初の北朝鮮旅行に行ってきたりゅうき同志の報告などで大いに盛り上がる。そしていよいよ李同志による歌の始まりである。この李同志、上品かつやわらかな物腰と接客態度ですでに我々のハートをガッチリとつかんでいたのだが、ソロ歌唱において違う一面を見せてくれたのだった。


4.李同志のハイテンションに真のエンタを見た

 私は北レスに行くと個室を勧められてもホールに陣取ることが多い。しかしこの広告のとおり、銀畔館の公演は個室と宴会場に限られる。どちらかといえばホール派の私だが、この日、個室での李同志のソロ公演には大いにロキロキさせられた。なぜか?李同志は本気(マジ)だったからである。

 本気と書いてマジ。見よ!!この気合の入りまくったハイテンションな歌唱ぶりを!!「ネナラ」、「心に残る人」の切々と訴えかけるような歌唱、「強盛復興アリラン」でのリズムに乗った弾むような歌唱。腹の底から澎湃と湧き上がる高レベルのテンションがbeautiful energyとなって全身からオーラのように四方八方に放射されているではないか!!ゴジラ(松井じゃなくて怪獣の方)もビックリだ!!これは李同志のエンターテナーとしての本領発揮なのか、それともコリアンホスピタリティの発露なのか、それともその全てなのか!?これは北レス歌唱の一つの芸としての完成型と言ってヨい。いや、これを“芸”と位置づけるにはあまりにも流す汗の量と我々に向けた視線の量が多すぎる。

 そして当代一の踊りへたチョの私と一緒に踊ってくれた李同志。同志も苦労したと思うが、この笑顔、いいッスね。李同志は卓越した歌唱力と、それを裏付けるハイテンションで我々をもてなしてくれた。李同志をここに“萌えるエンタの歌姫”と命名するっ!!

 ひと段落してりゅうき同志の平壌旅行画像に見入る李同志。滝のような汗がテンションの高さの何よりの証明だ(上の画像をクリックして拡大してみるべし!!)。デジカメ画像に彼女の実家が偶然に写り込んでおり、驚きながらも我々に教えてくれた。おお。あそこに住んでいたのね。向かって右は投げキッスをしているように見えますね。なかなかにラブリーです。
 
 銀畔館には同志は15名いるそうだ。今回担当してくれた李同志はその気合の入った歌唱で我々を魅了してくれたが、この他にも魅力的な同志達がいるのだろう。銀畔館は一人一室が基本。エンタの歌姫から元気とロキロキ感をもらった我々は非常にラッキーだったといえる。

 ところで、にゃん同志から銀畔館の公式サイトの存在を教えてもらった。ここにリンクしといた。銀畔館といえばこのリンク先のTOPに見られる片足を高く上げた少女のスケート姿が印象的である。日本語も非常にしっかりしている。きっと日本語の協力者がいるんだろうな。よ〜し、2軒目の平壌カフェいくぞー。ナニ!?明日は仕事で朝6時半起きだろうって?カーンケあれへん(なぜ関西弁?)。この章、李同志の画像はCAPTAIN同志提供による。(2007年8月4日訪問)