北レスで公演のぞき見/平壌高麗賓館料理訪問記

 
3年ぶりに訪問した丹東は、北レス8軒が覇を競う激戦地域になっていた。所在地としては開発区(鴨緑江沿い)エリアと駅前エリアに大別されるが、今回は駅前エリア3軒のうちの1軒、「平壌高麗賓館料理」を紹介する。

1.店名が四つ

 この一風変った店名は、平壌駅前の「高麗ホテル」から調理師が派遣されていることから来ているものと思われるが、この画像↓の看板は2本立てになっており、上のものが朝鮮名:平壌高麗食堂、中国名:高句麗酒店と読め、下のものが朝鮮名:平壌高麗ホテル料理、中国名:平壌高麗賓館料理と読める。

 店名が四つあることになるが、まあそのへんは北レス的にケンチャナヨである。↑の名刺には漢字で「平壌高麗飯店」と書かれているが、同名の北レスが開発区エリアにもあり、名刺のあおり文も全く同じだ。「平壌高麗ホテルの有名な料理士、接待員が直接ご奉仕いたします。」とある。経営者が同じなのか?聞いておけばよかった。

 夜7時、一人でお店に入ると一階には四人がけのテーブル席が並んでおり、公演を見たいと言ったら「それなら2階へどうぞ。」とチマチョゴリ姿の接待員同志に上へ通された。
2.北レスで公演のぞき見

 ところが2階のテーブル席は満員で、止むを得ず個室に通されることになってしまった。四人も入れば満員になる小さめのこの個室は引き戸で外部とは遮断されている。料理が届くまでの間手持ち無沙汰でもあり、ホテルにセーフティボックスがないためにかついできたPCの電源をONにしてデータ整理を始めるという、せっかく北レスに来たというのになんだかよくわからん状況になってしまった。

 ところで公演は2階で見られるということだったが、特にステージがあるわけでも、それに相当する空間があるわけでもない。いったいどうやって・・・と思っていたら、「パンガプスムニダ」のイントロが流れてきた。始まるのか!?
 個室からだとこういう覗き見のような眺めになってしまう。拍手を送るとこちらを振り向いてくれたが、視線を独り占めできたのに嬉しいような、のぞき見を見つかって見咎められたような、なんともヘンなカンジだ。右端の画像でおわかりのとおり、公演は通路で行われているのである。全部で5曲と短めであったが、「密陽アリラン」ではタンバリンを鳴らしながら歌うのが新しかった。

 決して広い店ではないのだが、この日は奥の広い個室に多くの客がいたようで、通路の公演終了後、そちらからも歌声が聞こえてきた。
3.絵で直球勝負

 ところで個室にはこんな絵がかかっていた。高麗人参!!ヨい!!私は以前、延辺朝鮮族自治州のキムチ工場で「キムチ」と書かれた掛け軸を見て、そのあまりのストレートさに唸ったことがあったが、絵の直球勝負とも言えるこの高麗人参、できれば買って帰りたいくらいである。ひょっとして他の個室にはキムチや冷麺の絵が飾られているのでは・・・・と思うといても立ってもいられなくなったが、それは次回の課題ってことで。
 
 
 この日は本当に忙しかったようで、冷麺用にハサミを頼んだら、なんと接待員同志はハサミを置いてそのまま立ち去ってしまったのだ。切ってくれるもんだと思っていたが、ハサミも心なしか寂しそうだ。開店は2005年12月とのこと。情報をくださった虹男同志に感謝いたします。
                                             (2006.5.3訪問)

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