宿命・・・大連名花苑移転北レス化レポ

1.city of blinding lights

 ・・・・・誰にも言えない悩み・・・・、消し去ってしまいたい過去・・・そういったものが誰にでも一つはあるものだろう・・・なんてことを私は「砂の器 デジタルリマスター版」を見ながら思っていた。

 私の場合、06年4月30日、大連名花苑で晒した醜態がそれに相当するだろう。いや決して酔って暴れたとか、セクハラ行為に及んだとかいうわけではない。酔って調子に乗った私は、勧められるままにマイクを持ってステージに立ち、おハコの「三大自慢の歌」を歌ってしまったのだ。(under the serious moonlight大連名花苑訪問記)を参照のこと。

 しかもそれを接待員同志のうち一人がデジカメ動画に頼みもしないのに撮ってくれたのであった。それを再生した私はおろろいてしまった。オレって酔うとこんなにだらしない顔しているのか、こんなにオヤジなのか、こんなにスケベったらしい顔なのか・・・こんなにバカなのか・・・。

 大連名花苑は他の北レスとは一線を画した存在であり、大連市内のホテルの7階で夜のみ営業していた。私は2006年黄金週間に2回ここを訪れ、接待員同志達とも仲良くなることができた。すでに一軒目の大連平壌館で酔っていた私が、ノセられるままに舞台に立ち、「三大自慢の歌」を歌うことはさほど難しいことではなかった。

 その私に、2006年11月、大連を訪問した千葉のちよりん同志から一通のメールが届いた。「大連駅前から出ている路面電車の203系統に乗って郊外に行く途中、たまたま北レスを発見しました。最寄の停留所の名前は失念してしまいましたが、路面電車からよく見えます。大連駅から乗って進行方向右側、終点の駅から2〜3駅手前と記憶してます。建物外観から北朝鮮直営のレストランであることは間違いないかと思われます。」と書かれている。ちよりん同志からの画像を掲載する。

路面電車203路は大連駅前から東に向かって伸びており、近年路線延長もされている。以前の終点であった寺児溝を過ぎると建物と人の密集度がグッと下がり、同時に海が迫ってくる。私はこのエリアを2006年5月に探検しており、実はこの画像もピンときたのである。ほれ↓

建物の前にあるオブジェ(って言うのか?)が印象的でしょ?以前の韓国レストラン「京福宮」が北レス「平壌名花苑」になったのだと思ったんですよ。その「平壌名花苑」は多分私が舞台に立ったあのお店が引っ越して来たものでしょう。


2.all because of you

 時刻は3時。北レスが最も営業してなさそうな時刻である。名花苑は簡単に見つかった。大連駅方面から203路で来ると春海街と華楽広場の中間あたりにある。進行方向右側を見ていればわかる。お店を覗こうとしたら突然中から女性が二人出てきた。名花苑の接待員同志である。

同志「オモ!!お久しぶりですね。」
オレ「うん。お久しぶり。引っ越したの?」
同志「そうです。6月に引っ越したのです。」
オレ「そうだったのか。じゃ今はレストランになったの?」
同志「そうです。今日の夜、是非おいでください。」

 そう言うと二人は腕を組んで歩いて出かけて行った。女性同士腕を組んでというのがなんともコリアンっぽい。歩いてだとそんなに遠くまでは出かけられないが、近年このエリアは急速にK-town化しており(後述する)、ちょっとしたお買い物だったらこの近所でできてしまうんだろう。

 実はこの二人の同志、私は顔を覚えていなかったのだが、向こうは私のことをよく知っている様子だった。これも06年黄金週間に不覚にも舞台に立ってしまい、結果的に顔を売ったがためだろう。実は同志達に再開した瞬間に「キャハハ!!あの三大自慢のオヤジよ!!」と指差して笑われたらどうしようと結構真剣に心配していたのだが、杞憂だったようだ。

 でもここに来れば、半年前に会った通称デビッド・ボウイの彼女(オレが勝手にそう呼んでいるだけだが)の朴同志や、笑顔がサイコーの高同志に会えるのだと思うと、ロキロキ感が確実に自分の内面で高まっていくのを感じざるを得なかった。


3.beautiful day

 12月30日。この夜大連平壌館とダブルヘッダーの私は、7時過ぎには大連平壌館を辞し、タクシーで名花苑に向かった。

 中に入るとそれほど広くない。小規模北レスの大連平壌館よりは多少広いといった程度か。北バー時代よりは明らかに狭くなったため、接待員同志の密度が高い。私を覚えてくれている同志達がたくさんいた。同志達は礼儀正しい。「キャハハ。あの三大自慢のオヤジよ。」などと指差されて笑われることも昼に引き続きなかった(実はこの時も真面目に心配していた)。

 今回、私には忘れてはならないことがあった。前回の訪問時に約束した「昴」と「愛してます(サランヘ)」の日本語歌詞を渡すことである。実は前回訪問直後に、当時名花園が入っていたホテルのフロントにFAXしておいたのだが、案の定「届いていない。」のだという。でも半年前の約束をちゃんと覚えていてくれたということでかえって喜んでもらえたようにも思う。夜8時近くになって公演が始まった。

バックには大きな金正日花と金日成花。北バー時代はデカい金正日花一輪であったが賑やかになっていた。この日の公演は9曲。

1.パンガプスムニダ〜私の住む国が一番良い
2.女性は花だね
3.統一オザク橋
4.野ばら
5.三大自慢の歌
6.朋友(中国語曲)
7.説句心理話(中国語曲)
8.風中的承諾(中国語曲)
9.蝶二匹

 公演の5曲目に「三大自慢の歌」があるのは、私に聞かせるためだと信じたい。だってそう思った方が楽しいではないか。この日も「舞台で歌いませんか?」と勧められロキッ!!としたが、さほど酔っていなかったこともあって冷静に辞退した(酔っていたらまたやってたのか?)。

 そして私がひいきにしているデビッド・ボウイの彼女ことギター担当の朴同志。画像でおわかりのようにこっちに視線が来ているでしょ?いや〜うれしいなあ。ところで北バー時代はお店の性格上照明が暗かったのは止むを得ないが、北レスになって照明が明るくなり、美人揃いであることが明らかになった。デビッド・ボウイの彼女=朴同志、キーボード担当で笑顔がサイコーの高同志はもちろんであるが、その他の安同志や申同志もポイント高い。

 実はこの日もある頼まれごとをしてしまったのだ。ある曲の日本語歌詞を教えてくれとのこと。え、何かって?この日の8曲目に歌われた「風中的承諾」は実は近藤真彦の「夕焼けの歌」のリメイク(CAPTAIN同志情報ありがとう!!)。そのオリジナル歌詞(つまり日本語)を知りたいとのこと。あと数曲頼まれたんだがヒミツ。次回の訪問には是非伝えたい。楽しみに待っててね。


4. the saints are coming

 このエリア、実は最近急速にK-town化している。名花苑もそれをターゲットにしているのだろうし、高麗館もこのエリアにある。
 
コリアマート。日用品を売っている韓国系のお店。午後3時に外出した同志達もここに行ったのかもしれない。右は喫茶店だろう。
 
韓国風の海鮮料理屋さん。右は外国語学校のようだった。たぶん韓国語を教えているんだろう。

 大連名花苑はホテル内の北バーという独特の存在であったが、K-townに移転してフツーの北レスになっていた。ちょっと残念な気もするが、まあこれも彼女達の選択ってことで。美人度の高いこの北レス、この地域のK-town化によりもたらされるであろうK-oyajiの破壊活動が心配ではあるが、デビッド・ボウイの彼女こと朴同志にまた会って目線などいただきたい。大連名花苑を去ろうとする私の頭の中で、和賀英良が弾くピアノ協奏曲「宿命」が♪ミンポロポロポロオオオン〜ミンポロロロロロンン♪と鳴り響いていた。ふ・・・宿命か。移転情報をいち早くお寄せいただいた千葉のちよりん同志に感謝したい。(2006年12月30日訪問)
                      
地図がかなりアバウトだが、上に書いたように春海街と華楽広場の中間あたりにある。このあたりは建物もそれほど密集していないのでわかりやすい。

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