衝撃のファーストタイム/大連平壌館ひょっとしてバレてない?訪問記


1.栄光の旅立ち

 2004年12月28日、私は中国大連市にいた。長らく仕事上のパートナーとして働いてくれた中国人スタッフが退職することになったので、その慰労を兼ねて北レスで食事することになったためである。

 北レスに行くといつもの接待員同志達が迎えてくれた。もうすっかり顔なじみである。今日はロリ系林同志がお休みのため4名の勤務である。私は日本から持ってきたおみやげを手渡すと案内された席についた。どんなおみやげかって?フフ・・・・ちょっとしたモノですよ。

 夜7時半を過ぎ、店内も8割方埋まったあたりでデュエット。蔡同志と「津軽海峡冬景色」である。2ヶ月前の蔡同志は、この歌を歌うときカンペを見ていたが、今日はカンペなしで最後まで歌いきった。さすが。きっと笑顔の裏には厳しい練習があるワケやねえ・・・・

2.Double Vision

 永遠の目線クィーン崔同志は私のお気に入りで、以前特集を組んだこともあるくらいなんだが、なんだか今日は浮かない顔をしている。「どうしたの?」と聞くと、どうも最近カットした髪がオバさん系の仕上がりになってしまい、それがショックなんだと。やはりその辺は若い女性。どの国もおんなじだな。で、実際のところちょっとオバさんくさいカンジがしないでも・・・ないが、「これはこれで可愛いですよ。」と言っておいた。でもオレのヘタな朝鮮語でうまくニュアンスが伝わったか疑問。

 そういえばこの日の崔同志は私のことを「○○△△サン。」と本名で呼んでくれた。うっ・・・うれしー!!そういえば前回酔っ払って名刺渡したんだった。やっぱし今日も大連平壌館に来てよかった。ロキロキ絶好調。



3.衝撃のファーストタイム

 ってなわけで中国人スタッフの慰労なんてことはすっかり忘れていい気分になっていた私だったが、再び目線クィーン崔同志が私のところにやってきた。手にメモらしきものを持っているが、なんだろう?

 「これはどういう意味か教えてください。」といって差し出されたそのメモには日本語が書かれていた。崔同志は簡単な日本語ならわかるのではないかと思われる反応を示すことがあるし、日本語の「時の流れに身をまかせ」もヒジョーに発音がヨイ。したがって日本語のメモを持っていても不思議ではないのだが、メモに目を落とすと「歌い始める瞬間すでにこの視線」「ずっとこの目線を外すことはなかった」・・・・・・ってこれ、オレのサイトに崔同志画像のキャプションとしてオレが書いた文章じゃないか!?ど・・どうしれこれを?ひょ、ひょっとしてバレてない(コギャル調)?

 「どういう意味かというと・・・とても美人で視線も美しいという意味だよ。」と答えたが、さすがに動揺は隠せない私。「こっ、この文章は誰が書いたの?」と問うと「お客様が書かれたのではありませんか?」と笑顔で答える崔同志。かっ、完全にバレてる・・・・。

 つまりこういうことではないか?彼女達が中国に来てからPCを買ってネットを・・というのは考えにくいが、平壌から一緒に来た人、または合弁相手の中国人が必ずいるはずだ。彼らはPCもネットも自由にでき、何かのはずみで私のサイトを発見したのであろう。そしてそれを彼女達に見せたのであろう。そして崔同志は自分の画像の下に書かれた日本語なら、自分に関連したことに違いないと思い、書き写したのだろう。

 大連平壌館は入り口の右手に小部屋があり、そこで黒の人民服を着た、いかにも平壌から来た人というカンジの男性が事務をしているところを見たことがある。あそこにPCがあるのではないか。


4.After The Fire

 な、なんということだ・・・。私は完全にビビってたじろいでしまった。私の友人に有名レースクィーンのHPを作成しているヤツがいるが、彼はレースクィーンの画像を掲載する時は、必ずそのレースクィーンのみならず所属事務所にお目通しいただいて、許可を得てから掲載している。たしかにそれがマナーというべきものだろう。

 翻ってこのサイトである。私は現場での写真撮影については必ず一言断っている。しかし、掲載にあたって、彼女達の許可をもらっているわけではない。私は北朝鮮のネット事情には明るくないが、現地案内員より「今回ご覧になった○○については、帰国後ネットにアップしないでください。」と釘を刺された旅行者は知っている。つまりネットの存在だけではなく、そこで自由な情報発信が行われることは認識されているわけである。また、上で述べた通り、中国で働く彼女達が現地でネットに接することは大いに考えられる。

 しかし、いつかはこういう日が来るのではないか思っていたことも事実である。その時の彼女達の反応によってはこのサイトの存在さえ危うくなると思っていたが、今日の崔同志の反応を見る限り、喜んでいたように見えたし、決して私を問い詰めていたわけでもない。

 「彼女達の嫌がることはしない。」それがこの「北朝鮮レストランふぁんくらぶ」取材の大原則である。従って崔同志の今回の顔写真はアップしない。なぜなら彼女は現在の髪型を気に入っていないからだ(可愛いんだが)。

 もしこのサイトの存在が、大連平壌館のみならず他の北レスにもバレてしまい、不興を買うような局面になったら、それこそ一大事であるが、それはその時にまた考えることにする。それよりも中国人スタッフの慰労はどこかに吹っ飛んじゃったな。ゴメンまた今度ごちそうするから。
                                      (2004.12.28訪問)

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蔡同志。目線くれる余裕も。