ドバイでもやっぱし北レス探し/K-oyajiがK-oyajiであるために
1.パツキンのナオンはヤジラブをはずす
ここはアラブ首長国連邦=U.A.E.、ドバイの高級ホテルの屋外プール。デッキチェアでうつぶせになり、ヤジラブ(ブラジャーとも言う)の背中のヒモをはずして肌を焼いているパツキンのナオン。プールサイドバーで腰から下を水につかったままジントニックなんぞを飲むエマニエル夫人のダンナのようなオレ。しかし視線を移すと着衣のまま人前で肌をさらさずに泳いでいるアラブ人女性、どこからともなく流れてくるアザーンの響き。ここはイスラム圏なのだと実感する瞬間である。
しかしアラブの国に来てまでも、北レスが気になるオレ。大韓航空機爆破事件では犯人の金賢姫がアブダビ(ドバイの隣の首長国)を経由しバーレーンで拘束されているし、1973年に赤軍派が日航機をハイジャックしてここドバイに着陸したこともあり、なんとなく北朝鮮っぽいカンジもしないではない。
それにしても夏のドバイの暑さはクレイジーである。私は初めての街はまず自分の足でホテル周辺をブラブラ歩くことに決めているのだが、40度を超す暑さの中では1時間も歩けば頭がボーッとしてくる。そんな中で撮ったのがこれ↓
左二つがモスク。三つめが香港上海銀行。デザインがなんとなくアラビアっぽい。次がジュメイラビーチ。月曜日は女性専用で入れてもらえなかった。
2.麦酒は罪なヤツ
ドバイのフリペを見ると韓国料理店が2軒あることがわかった。1軒はラマダホテルの中。もう1軒は市内にあるソウルガーデンというお店である。ホテルの中ならすごくまともな料理が出てくるだろうし、ここは市内のソウルガーデンの方が面白そうなので、そちらに向かうことにした。
フリペではカラマ地区Zabeel Road沿いにあることになっておる。いつもなら街歩きも兼ねてダラダラ歩き出すオレだが、今回は暑さのためタクシーの運転手に連れていってもらうことにした。
しかし捕まえた3人の運転手全員がソウルガーデンを知らないという。でも4人目が親切で、電話して場所を聞いてくれたのだ。カラマ地区のZomorrodah
Building1階にソウルガーデンはあった。
中に入ると4人用の個室に案内された。フィリピン人女性とおぼしき店員が「アンニョンハセヨ」と韓国語でごあいさつ。たいしてお腹すいてなかったので冷麺を注文。45AED。約1,300円。高い。新大久保コリアタウン並みの高さだ。でもここは祖国を遠く離れた異国。材料の入手も大変だろうし、やむをえないだろう。
メニューは中華料理を含め200種類もあった。 ただメニューの「beverage」のところを見るとハングルで「麦酒」と書いてある。おおおっ!!な、なぜイスラムの国でビール??と、思いきやそのすぐ横に「アルコールなし」とな!?ガ、ガクッ。これをヌカ喜びという。これでは「バンザーイなしよ」みたいなもんだ。最初から「ノンアルコールビール」と表記してくれんか?やがてミッパンチャン(無料の突き出し)も6品そろい、おいしくいただいた。冷麺は麺がやや細いと感じたが、本場で食べるのと遜色ない。
187番が罪作りな麦酒(アルコールなしよ)。ちなみに188番は韓国人も大好きな氷あずきである。2番目の画像にノンアルコールビールの缶が見える。ロースターは韓国直輸入だ。私は韓国料理ではテジカルビ(豚カルビ)が好きなのだが、イスラムではご法度。これで思いっきり豚肉を焼いてみたいと思っているK-oyajiもドバイには少なからずいることだろう。
ここでちょっと情報収集しようとホールにいた男性に「韓国語できますか?」と問うと「いえ。マダムができます。」と英語で答えながら奥のカウンターを指差す。おお。品のよさそうな女性がいるではないか。女性の名はマダム金。ここで韓国人相手のレストランを経営しているのだという。肝心の北レスだが、やはりないとのこと。フリペの情報とおりに韓国レストランならデイラ地区にもう一軒あるとのことだったが、これはラマダホテル内の韓国レストランのことだろう。
そもそも、ここドバイでK-oyaji達はどんな生活を送っているのであろうか。酒は許可証があれば手に入るだろうし、豚肉はまあ我慢できるだろうが、ヤツらが大好きなアレとかコレとか、K-oyajiをK-oyajiたらしめているお遊びの多くがここでは不可能であろう。
ソウルガーデンには、韓国から空輸したのであろう韓国紙が置いてあった。日刊スポーツの「MLBスカウト、李スンヨプを見に日本へ日本へと大挙襲来。」なんて記事を読みながらK-oyajiどもは「ウリナラ英雄の活躍」を喜んでいるのだろうか。その他に楽しみがあるのか、ひとごとながら心配になってしまうオレであった。
4.シーゴラスでライス国務長官と対決
ドバイには高級ホテルがひしめいている。特にジュメイラビーチ沿いのジュメイラ・ビーチ・ホテルは7つ星と言われるくらいで、隣接のバージュ・アル・アラブと共にランドマークとして知られている。この二つのホテルのツーショットは、私には「帰ってきたウルトラマン」に出てきたシーゴラスとシーモンスにしか見えない。
何?シーゴラスとシーモンスを知らない?こりゃいかんなあ。帰ってきたウルトラマンに出てきた、津波を引き起こす夫婦怪獣ですよ。画像を掲載したいのだが、人様のサイトから盗用するのもアレなのでググってチョーダイ。立っているほうがシーゴラス。四つんばいが夫人のシーモンスである。
ホテル内の吹き抜けが素晴らしいと聞いたので、シーゴラスの方に行って見ることにした。ところがこのシーゴラス、いやホテル、、敷地に入るためには検問を通過する必要があるのである。タクシーを止め、窓を開けるように指示したのはライス国務長官を20歳くらい若返らせて細身にしたような黒人女性だった。
ライス国務長官「あーた、ここに泊まってるの?」←このぞんざいな口調はかなり主観入ってます。
オレ「いや、違うんだけど。」
ライス国務長官「てゆっか、予約した?レストランとか?」
オレ「してないよ。」
ライス国務長官「じゃ、ダメだわ。帰って。わりいけど。」
これ以上粘ると制裁されそうだったので(何の制裁?)おとなしく帰ることにした。でもライス国務長官に「てゆっか」と言わせたばかりか、タメぐちきいてしまったオレ。偉くなったものだ。
(左)ライス国務長官 (右)タイガー・ジェット・シン
運転手「なんだ。ここの客じゃなかったのかい?」
オレ「うん。宿泊はシャングリラなんだ。」
運転手「あんたは日本人かい?それとも…」
オレ「日本人だよ。」
運転手「日本人は金持ちでいいねえ。」
オレ「運転手さんはどこから来たの?」
運転手「オレ?インドだよ。」
やっぱしそうか。インパキからの出稼ぎが多いこの国。乗った時からタイガー・ジェット・シンに似ているとは思っていたが、サーベルで襲い掛かる風でもなし、気さくなこの運転手はずっとオレのへたチョな英語につきあってくれた。ありがとう。シン運転手。
ドバイは砂漠とビーチと競馬場と運河と巨大ショッピングセンターのある街である。旅行では現地の市場やスーパーマーケットを冷やかすのが楽しい。