ぽちょんぼ特派員同志の瀋陽・丹東レポ
この11月、ぽちょんぼ特派員同志が中国遼寧省瀋陽市・丹東市を訪問されました。その際北レスを6軒(!!)訪問されそのレポをお送りくださいました。ここに一括掲載いたします。掲載期間は一ヶ月程度とし、その後北レス一覧表の分類に基づき分割掲載といたします。
その1 玉流食堂(七宝山飯店2F) 「一人でこわくないですか」
11月○日(土) 成田から中国南方航空で瀋陽へ着いた私は、七宝山飯店へと向かいチェックインしました。フロントの従業員はみな北朝鮮の国旗のバッジをつけていました。部屋へいきテレビのチャンネルをいろいろかえていたら、な なんと 画面の左上隅にあの「チョソン」(ハングルで)のマークが・・・ 朝鮮中央放送がみれるんですね、このホテル。さすが北朝鮮系のホテルです。
PM7:00すぎ、おなかがすいたので早速食事をしに玉流食堂へ向かいました。個室や和室?もありましたが、テーブル席へむかいました。ほとんど満員で、空いてる席は入り口のすぐ近くのところしかなくそこにすわりました。他は団体の客ばかりで、ちょっと居心地が悪いな・・・ と思いましたが、すぐ向かいにドラムやキーボードなど楽器が置かれていました。演奏のときは間近で見れるな・・・と思っていたら、すぐ演奏がはじまりました。なんとラッキーなことでしょう。曲は「パンガプスムニダ」「夜來香」(中国の歌)などを演奏してくれました。例によって韓国人のおやじたちが花束を買って渡していました。どこへ行ってもこの光景はかわりませんな。他の北レスと違い、なぜかスーツを着た接待員が一人いました。この人、歌も歌いドラムもたたきかっこよかったです。
11月△日(月) 昼の1時過ぎにまたも玉流食堂へ行きました。ピークの時間をすぎているせいか、はたまた演奏がないせいか客は2組だけ。接待員の1人が、暇なのかあるいは私が1人できたのを不憫に(?)思ったのかずっと私のテーブルについて話をしてくれました。
接待員: 一人で旅行されてるのですか?
私: はい
接待員: 一人でこわくないですか?? (← この台詞、飛行機の中で隣の席になった
中国人の小姐と、瀋陽でガイドをしてくれた旅行社の女性ガイドの小姐にもい
われました・・・)
私: いや、大丈夫ですよ ところで朝鮮のどちらからきましたか?
接待員: ピョンヤンです。平壌音楽大学を卒業しました。
私: ここで休みはどのくらいとれるの?
接待員: 月に2回です。
私: 休みはどうやってすごしてるの?
接待員: 部屋で休むか外にでかけますよ。ところでおいくつですか?
私: ○○歳です
接待員: あら、もっと若く見えますよ。私のオッパと同じ歳です。
私: 昨日は部屋のテレビで朝鮮中央放送の番組がみれたんだけど今日はみれ
ないんだね。
接待員: (苦笑いして)土曜日曜は終日放送していますが、平日はPM5:00から放
送開始なのです。(私が食べ残した餅を指差して)ホテルに泊まっているので
したらこれ入れ物につつんでさしあげましょうか?
私: お願いします。どうもありがとうございます。
接待員: 今晩もこちらの食堂へいらしてくださいね。
なるほろ。スーツ姿の接待員同志ってのもよさそうですね。休日の過ごし方はだいたい誰に聞いても同じような答えなんですね。でもまあ外国にいて集団生活だし外国人と積極的に関わるワケにもいかないだろうからこういう答えに落ち着くのかも知れませんね。
その2 瀋陽平壌館 「ここで売っています」
11月×日(金) 昼の1時過ぎにいきました。ソファーの4人がけの席はいっぱいでしたがまんなかのテーブル席はあいてたのでそこにすわりました。向かいの牡丹館にくらべこぢんまりした感じです。接待員も感じがよさそうです。テーブルに着いたものの接待員のいってることがよく聞き取れず、まごまごしていると
接待員A: 朝鮮語おできにならないのですか? (by 朝鮮語)
私 : 日本人なので・・・(by 朝鮮語)
接待員B : すみませんでしたー(by 日本語 笑顔で)
片言でも日本語で返答がきたのはこれがはじめてです。料理は冷麺とチャーハンをたのみましたが、おいしかったです。帰りがけ、
私: この辺に朝鮮のCDを売ってる店はありますか?
接待員A: ここで売っていますよ。どんなCDですか?音楽?VCDですか?
私: 音楽のがいいです・・・あっVCDもみせてください。
とりだしたのはリジョンオ作曲集1と名前は忘れたがだれかの作品集のCD。
接待員A: これは聴いたことあるでしょう?(といいつつ「パンガプスムニダ」を指差す)
私: はい。これとこれもあります。(A同志うれしそう)他のはないですか?
接待員: VCDならもっとありますよ・・・ちょっとお待ち下さい。(といいつつどこかへ電話
し)数分後、数枚のCDをかかえてA同志が再登場。
私: ええと、これとこれを下さい。
結局私が買ったのはリジョンオ作曲集1と朝鮮歌謡4(VCD)の2つ。計120元でした。日本で買うよりかなりやすいです。
A同志とB同志は包装紙でていねいにていねいにつつんでくれました。その一生懸命
な様子におもわずこころをうたれた私でした。
私: アンニョンヒケセヨ
接待員A: アンニョンヒカセヨ
接待員B: ありがとうございましたー
B同志はやはりちょっとだけ日本語が話せるようでした。
なるほろ。基本的に日本語は期待しない方がいいとは思うのですが、時々話す人がいますよね。大連金剛山(すでに閉店)の金接待員同志もカタコトプラスα程度話しましたが、それはホテルで勉強したと言っていました。大学でしっかり勉強した人は北レスには派遣されないのかも知れませんね。
それからお客様のためを思ってしっかりと包装してくれるってのは心打たれますよね。未アップですが私も大連高麗館で同じような経験をしました。
その3 瀋陽 牡丹館
11月■日、夕食をとりに西塔へ出かけました。平壌館か牡丹館かどちらにしようか迷いましたが、牡丹館へ。ちなみに外には大音響で音楽が流れていました。中はものすごいにぎわい。やはりほぼ満員で、1人だった私は花瓶置きのテーブルをむりやり食事用にしたようなテーブルへ案内されました。しかも通路と階段とカウンターの間にあり、人がよく通って落ち着かない。とほほ。
しかしタイミングがよかったようで、座ってまもなく演奏がはじまりました。最初は「ネ ナラ チェイル チョア」いい曲です。歌のほかに、人形踊りがありました。歌、踊りは良かったのですが、やはり座った位置が悪く、また店員も忙しいせいなのか接客が淡々とした感じで牡丹館はあまりいい印象をうけませんでした。
う〜ん、なるほろ。お店が忙しいと淡々とした印象を受けてしまうのはやむを得ないところですかねえ・・・。私が神戸ポートピアアイランドに遊びに行った時、一番印象に残ったのは焼きそばが不味かったことだもんなあ(関係ないか)。
その4 丹東 三千里
11月☆日、昼飯をとりに三千里へ行きました。お店にはいると接待員が出迎えてくれました。
料理はビビンバをたのみましたが、これがなかなかの味でした。ちなみにここは安東閣の真向かいにあります。親愛なるあんでんだ同志のホームページにはこの安東閣も北レスと紹介されていましたが、丹東でガイドをしてくれた方の話では安東閣は北レスではないとのこと。なお安東閣にはいかなかったので真相はわかりません。他の中国料理店もそうですが、ここは水槽に魚を飼っていて客が選んで調理させることができるようです。奥のほうに楽器があり、夜は演奏があるようです。
夜の丹東三千里 |
その5 丹東 玉流飯店
11月★日、やはり昼飯をとりに現地の中国人のガイドさんと2人で玉流飯店へいきました。ここはちょっと建物が古めで、あまり規模が大きくないようです。個室に案内されたためあまり接待員とはなしができず。接待員とツーショットで写真をとってもらおうとしましたが、拒否されました。(他に客がいるからとのこと)
このガイドさんの情報によると、丹東では清流館が北レスの中でいちばん最初にできてサービスもよかったが、最近はややサービスが低下しているとのことです。ちなみに鴨緑江の橋をはさんで反対側に「玉流館」という店がありましたが、ここは北レスとは全然関係ありませんでした(翌日訪問)
写真拒否は困ったもんですなあ。それほど忙しくなくて、テーブルについてある程度お話して打ち解けた後だったら違うのかもしれませんね。でも丹東で一番早いのが“清流館”であるというのはいい情報です。丹東は北レス激戦地ですから気をぬけないところだとは思うんですが、本人たちはあまり気にしていないのかも知れませんね。
その6 丹東 松涛園
11月★日、晩飯をとりにガイドさんと2人で松涛園へいきました。テレビでは朝鮮中央放送をやっていました。接待員に「テレビ面白いですか?」ときくと、「おもしろいですよ」との返事。やや間をおいてさらに「おもしろいですよ」と念押しされました。
ガイドさんいわく、「朝鮮のテレビはあんなふうにキムなんとかが偉大だとかそんなのばっかりだ。あの国はだめだねー 30年前の中国だな」とのこと。ちなみにこのときはポシンタンを注文しました。他の客がこちらの料理をみて「あれはなんの料理?」とかなんとか店員に聞いていました(笑)味はおいしかったです。ここは楽器類がおいてありましたが、ガイドいわく「やるときもあるしやらないときもあるよ」とのこと。このときは演奏がはじまる前(あったかどうかわかりませんが)に店をでました。
なるほろ。私も松涛園は行きましたが(未アップ)、歌はありませ
んでしたよ。北朝鮮は30年前の中国みたいだとの発言ですが、
中国人はよくそういう言い方をしますよね。文化大革命中には
「軍」とか「紅」とかいう漢字を含む名前をつけるのが流行った
みたいですよ。
いかがでしたか?ぽちょんぼ特派員同志は「というわけで私が独断と偏見で選んだ今回の旅行の北レスベスト1は瀋陽平壌館、第2位は瀋陽玉流食堂です。」と結んでいます。北レスで楽しいのは接待員同志との交流ですからね。楽しいレポありがとうございました。
(2003年11月訪問)