長春 仁風閣訪問記 THE SEARCH IS OVER

1.EYE OF THE TIGER

 2004年5月1日、労働節(メーデー)休暇に賑わう中国吉林省の省都、長春市。しかし私にはそんなことはどうでもよく、長年の宿願であった長春北レス探しに燃えていた。朝鮮族が多いこの町に北レスがないはずはないのだが、前日探し当てた「ピョンヤン阿里郎館」が閉店済みで看板しか残っておらず、ここで手がかりはプッツリと切れてしまった。

 前日会食した「北朝鮮っぽいの好き長春駐在員」のアドバイスにより(湖南料理はスッパ辛くておいしかった)、この日は大きな通りからややはずれた、そこそこ賑やかな通りを探すことにした。ホテルを出たのが朝8時半。まずは昨日阿里郎館の残骸を発見した大馬路をちょっと外れた大経路に向かう。ここには韓国製品を売り物にしたお店が数軒あった。

右側の店名は数字にすると「1020」。長春のコリアタウンである桂林街にも同じお店がある。ショーウィンドー内に見えるポスターは韓国映画「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンである。

 この界隈ではBoAの曲が流れていた。「VALENTI」のイントロが流れ始めたのでこの曲の韓国語歌詞を暗記している私が韓国語で口ずさもうとしたら、日本語版だった。今いるところはどこなんだ?でも最近はBoAの歌を韓国語で歌うと若いコにモテますゼ、ダンナ。日本語字幕で韓国語で歌うのがポイントだな。

2.BURNING HEART

 ってなことは実はどうでもよく、大経路、更に亜泰街と大馬路を横に結ぶ道路、駅前を集中的に探索したがことごとく空振り。やはりあるかないかわからんモノを探すってのは疲れる。12時半で午前の部は終了し、ホテルで一休み。

 午後は1時半スタート。ホテルの前から伸びた西安大街を中心に調査した。さらには建設街をひたすら歩いて調査した。

時々こういうのを発見してはドキッ!!としたりもしたがこれは北レスではない。

 建設街と交わる南昌街には閉店した妙香山(後に再開を確認)があるし、そういえば正月に来た時読んだ朝鮮語のフリーペーパーでは、この界隈で北朝鮮と合作で新規にレスをオープンするってんで朝鮮族職員を募集していた。待てよ。ここ最初に来ればよかったか?

これが正月にゲットした記事である。北朝鮮と合作で大型レスをオープンするから真面目な朝鮮族を募集すると書かれている。注目すべきは「調理師0名」「服務員00名」と書かれている点であるが、これは全く募集しないという意味ではなく、それぞれヒト桁、フタ桁の人員を募集するという意味だと「北朝鮮っぽいの好き長春駐在員」は語ってくれた。なんともケンチャナヨな話である。

3.THE SEARCH IS OVER

 ってなわけで新聞の広告に出ている西朝陽路を目指した。そしたら・・・

おやっ!?あの横帯は人共旗と同じ配色じゃないか?







う〜ん。でも店名が北レスっぽくないなあ・・・








んっ!?でもこの看板は!?

 ともかく店内に入る。正面にチョゴリ姿の店員がいたので朝鮮語で話しかけると「我不会朝語。」漢族だった(ガックシ)。しかし中国語で話しかけると「ハイ。ここでは北朝鮮から来た女性達が多数働いています。」とのこと。この漢族は態度イイ。さらには中国と北朝鮮の卓上旗まであるではないか!!ここで北レス確定。午前4時間、午後2時間、合計6時間も歩くなんて何年ぶりだろう。いい運動になった。これも偉大な方の暖かいご配慮か?

 でも午後3時半という時間帯のためか、多数在籍するはずの接待員同志達の姿は見えず。でもまあ夜来るからいいかと思いつつお店を後にした、その時!!

おおおおっ!!こ、この笑顔の集団は何!?民族服にバッジ着用だが。つまりこれは3時半というランチタイムがひと段落した時間帯に地域をパレードしながら営業をしていたのだろう。画像にはないが店名が書かれた旗が先頭に立っており(添乗員が持つような小さなもの)総勢15名ほどの接待員同志が街を笑顔で練り歩く姿は壮観であったに違いない。

私は突然の展開に浮き足立ってしまい、デジカメの電源をオンにすることさえ忘れてしまったが、「アンニョンハシムニカ」と声をかけるとこの笑顔であいさつを返してくれた。デジカメ間に合ってよかった。

下の画像では男性がアコーディオンを持っているが、これを弾きながら練り歩いていたのかもしれない。午後3時から3時半くらいまでがその時間帯と思われる。

4.HIGH ON YOU

 当然ながら夜、再訪した。入口では民族服の二人(当然バッジあり)が「いらっしゃいませ。」と声をかけてくれる。そして2階に案内されたが、ここはかなり広い。夜7時という時間帯であったが客もかなり入っている。

 2階の中央に何というのか囲まれた空間があり、そこですでに女性がピアノ伴奏つきで自らギターを弾きながら歌っていた。例えるならサイコロの「1」のようになっており、真ん中の赤ポツで同志が歌っており、四辺に小上がりがあるような構造になっている。できればじっくり歌を聴きたかったのだが既に席が埋まっており、全く同志達が見えない半個室のようなところに通されてしまった。でもまあこんなに混んでいるのならしょうがない。食事しながら数分置きに歌を聴きに抜け出すという落ち着かない食事になってしまった。 

 注文を取りに来たのは一目で漢族とわかる女性。念のため中国語で「漢族か?」と聞いたらやっぱりそうだった。漢族なんで漢族的にニコリともしない。私がメニューにあった千里馬像を写真にとったらコワい目で「写真撮るな。」というし、これじゃ中国のレストランと変わらない。

(左)歌う接待員同志。ピアノの上に朝中卓上旗がある。

(右)メニューに千里馬像が。

 やがて判ってきたのだが、ここはわざわざ北朝鮮から来た接待員同志を前面に出したサービスをしていないのだ。歌は他北レスのように明るく楽しく、時にはお客様とデュエットというわけではなく、あくまでもBGMの扱いで、大人しいカンジがぬぐえない(バイオリンの演奏のみで聞く「金日成将軍の唄」は興味深かったが)。そもそも客席の配置がサイコロの一に視線が集まるような構造になっていない。

 また同志達は注文を取ってはいけないようで、後片付けはするがやや手持ちぶさたのようであった。また写真撮影についてもフロアリーダーらしき40代の同志に聞いたらさんざん渋っており、「1枚だけだから。」と粘って撮ったのが上の画像である。

 まあ客が多くてもヒマそうなのでいろいろ話しかけてもいいのだが、この日は半個室であったのであまり仲良くお話はできなかった。 しかし最後に後片付けをしている同志に少しだけ話を聞くことができた

私「いつから働いてるの?」
同志「1月末に参りました。」
私「ピョンヤンから来たの?」
同志「いいえ。」
私「へ?じゃ、どこ?」
同志「慈江道でございます。」
私「慈、慈江道!!ど、どこのホテルから派遣されたの?」
同志「ホテルや会社ではなく、学校を卒業してから来たのです。」

 ふ〜ん。吉林省集安市にある北レスの接待員同志が慈江道から派遣されている事実が報告されているが、ここもそうなのか。ってなワケで仁風閣は私が期待したような明るく楽しい北レスではなかった。だいたい午後、偶然出くわした時の笑顔が見られない。なんといっても漢族に注文を任せてるってのがダメよ。ともかくこの日は、漢族は漢族的に無愛想だということを再確認した日でもあった。

あんまり同志達の画像とれなかったんで料理。南北朝鮮、中国朝鮮族、みんな海苔巻きがだ〜い好き。魚料理はハタハタをフィーチャー!!中国東北部ではハタハタは「銀魚」と呼ばれているが、他地域では「銀魚」といえばワカサギを指すことが多いようである。でも私、ハタハタ大好きよ。♪秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコあ〜それそれ♪ってが。

左が配られたティッシュペーパー。二つ折りを広げたところ。右がテーブル敷。三大憲章記念塔がお好きのようですね。テーブル敷を見ると中朝合資の「餐飲連鎖機構」とあるので他所にも存在する可能性がありますね。いやー参ったなこりゃ(実は全く参ってない)。

名刺。正確には「予約カード」。朝鮮語のものはないというのが仁風閣の北レスとしての立場を物語る。地元朝鮮族客を大切にするには朝鮮語のものも用意した方がいいってのは余計なお世話か。

 市中心部(シャングリラとかウォルマートとか)からならタクシーで10分もかからない。建設街が大きな通りなので、名刺にもある「国土賓館」で曲がるとよい。「国土賓館」は看板が大きいので遠くからでもよく見える。

                                     (2004年5月1日訪問)

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