上海 朝鮮平壌館訪問記〜延吉のアガシじゃないのか?

1)こっちじゃなくてあっちに行け

 7月17日から19日の3連休を利用して上海に行って来た。目的はもちろん北レス調査である。上海ではすでに「玉流酒家」「青柳館」で接待員同志達と心温まる交流ができたが、04年2月末オープンと歴史のもっとも浅い「平壌館」が唯一残っていたのだ。

 ボーナス後とあってふところの暖かい私は、一泊目を上海浦東シャングリラホテルという一流ホテルで過ごし、二泊目を平壌館が入っている玉屏賓館で過ごすというナイスなプランを立てた。

 中国東方航空機は予定より1時間遅れて上海浦東空港に到着。早速タクシーに乗ってシャングリラに向かった私であるが、ホテルを目前にした金茂大廈前で公安が立ちふさがり、運転手に何やら言っている。「これから先は行事で入れないからここまで。」とのことだ。運転手は「スマンお客さん。」と謝ってくれたが、まあしょうがない歩いて行くことにするか。

 私は上海は何度も来ているし道も大体は知っているのだが、34度の暑さの中、荷物を持って歩くのはやはりこたえる。今回は荷物が小さいからいいようなものの、初めて来る大きな荷物を持った中国語が全くできない人だったらどうなっちゃうんだろう。

 浦東地区シャングリラホテル近辺は完全に交通が遮断されていた。後で知ったのだが地下鉄の駅も閉鎖されていた。そして公安があらゆる場所に立ちふさがり、あっちじゃなくこっちに行けとか、指図された方向に行けばそっちじゃなくこっちだとか、まことに中国チックな体験をさせてくださる。道路の両側にセットバックが組まれ、「国際拉力比賽」の文字が。なるほろ。ラリーのための通行止めだったのか。しかしそんなこと、ここいら一帯を遮断してしなくてもいいんじゃないのかね?たまの一流ホテルに辿り着くまでに暑い中30分も歩かされた私はすっかり機嫌が悪くなってしまった。しかもラリーなもんでバフバフうるさい音が23階にまで聞こえてくる。これでよくシャングリラが怒らないものだ。


2)漢字表記はそれでええんか。

 でもまあチェックインしてしまえば一流ホテルは快適だ。浦東シャングリラは外灘が綺麗に見えるし、特に日が暮れてから外灘を眺めながら室内プールで泳ぐのもいいもんですぜ、ダンナ。

 で、翌日は玉屏賓館へ。シャングリラが五星級なのに対してここは準三星級なのだが、平壌館が入っているというただ一つの理由で宿泊することにした。北朝鮮系ホテルといえば、瀋陽の七宝山ホテルが知られているが、玉屏賓館に北朝鮮資本が入っているか否かに注目した。

前景。北朝鮮の国旗は見えませんね。平壌館の電飾看板が正面に誇らしげに飾られています。

中に入るとおお!!いきなり「平壌館」の看板が。しかしこれ、漢字表記が違うんじゃないか?平壌の「壌」の字が「陽」になっている。朝鮮語では両方とも発音が同じだし、北朝鮮では漢字は使わないから北朝鮮から来た人達は気にならないのかも知らないが、教えてやれよ中国人。

以前、上海青柳館では、発音が同じ「清流館」の間違いかと思ったらホントに「青柳館」で良かったってことがあったが、今回はさすがに違うだろう。

これはエレベーターの中で見かけた広告。ホテル内のナイトクラブである。玉屏賓館は北朝鮮資本が入っているワケではなく、韓国人客をターゲットにした安宿という位置付けのようだ。部屋には韓国語で書かれた「ネットのつなぎ方」という文章があった。テレビではもちろん朝鮮中央放送は見られない。


3)花を買ってください

 一旦外出した私は「北朝鮮っぽいの好き上海駐在員」と共に5時半に到着。平壌館ではまだ歌と楽器の練習中であったが、本日の一番客の到着を知るとサッと臨戦態勢に入った。規模としては中程度であり、100名程度で満員になると思われる。この日、主にお相手してくれたのは李同志。スラッとしたにこやかで、ちょっと色っぽい同志である。ここは10名の接待員同志が勤務しているとのことで、メニューにも同志達の顔写真が記載されている。

左二枚が李同志。右端が許同志。

 また個室が3部屋あり、それぞれ「七宝山」、「白頭山」、「金剛山」という朝鮮を代表する山の名前がついていた。また入口のあたりに花束が飾られており、朝鮮語と中国語で「花を買ってください」と書かれていた。延吉柳京飯店では花がチップがわりになっており、その分加算されるのだが、ここもそういうシステムになっているのだろう。


4)バッジをつけないそのワケは?

 これまでも金日成バッジをつけず、名札のみで勤務する北レスは数軒確認されているが、ここ上海平壌館も同じであった。李同志に「バッジをつけないのは煙がかかるからか?」と聞いたら「その通りでございますお客様。」と言っていたが、そういう聞かれ方をされればそう答えるわな。ここは「バッジをつけていない理由な何か?」と問うべきだったな。

 あとこれは私の推測なんだが、客に興味本位にイジられるのがイヤなんじゃないだろうか。それに彼女達からすれば不敬にあたる人差し指で指されるのもイヤだろう。なんてことを思った。

 残念ながらこの日はあまりゆっくりできず、7時半から始まる歌は聞けなかった。次回に期待したい。それから前回報告したチラシでは「朝食も朝鮮美女ご奉仕」との文言があったが、朝食は向かい側の中華レストランでとるようになっており、平壌館は朝食時は閉めていた。

ステージ。バックには誇らしげに白頭山天池が。ギターが立ってますね。バンドなんでしょうか。うう・・・見たかった。ライターは無料でもらったもの。


5)延辺のアガシじゃないのか?

 翌日、空港へ向かうタクシーの中で平壌館の画像をデジカメで見ていると、運転手が「それは何か?」と尋ねてくる。「北朝鮮の女性だよ。」と言うと数秒の沈黙のあと、「北朝鮮じゃなく中国の朝鮮族じゃないのか?」と言ってきた。「そうじゃなくて北朝鮮。平壌の北朝鮮だよ。」と言うと運転手は信じられないという表情をして「で、そいつらは何をしに来てるんだ?」と言うので「レストランの服務員だよ。」というと「そんなことのためにわざわざ上海に来ているのか!?延辺のアガシ(この部分は朝鮮語でアガシと言った)なら上海にたくさんいるけどな。」との反応であった。

 じゃあ一体、どういった仕事なら来てもいいのかって気がするが、中国語しか話さないこの運転手が「アガシ」という朝鮮語を口にしたことが驚きであった。もっとも、延辺ではあまりこういう言い方はしないので韓国人が教えたのかもしれない。

最新の広告と名刺。白コスで踊っているのは李同志ではないか!!白鳥の舞だろうか?うう・・・見たかった。

6)行き方

 上の名刺でもわかるように、平壌館が入っている玉屏賓館前の通りは一方通行である。市内からタクシーで向かうとホテル前まで入れず、「天山路」と「遵義路」の交差点で降ろされてしまうことがあるが、そこまで行けばあとはたいした距離ではない。

 しかしここは「太平洋大酒店(シェラトングランド太平洋ホテル)」をバックにして遵義路を真っ直ぐ歩くといいだろう。10分ほどである。途中右手にパークソン(百盛)百貨店が見えるが、ここの5階には「青柳館」が入っている。           (2004.7.18訪問)

左が太平洋大酒店、右がパークソン。

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