瀋陽でプチ北朝鮮体験〜2006年元日二年ぶり七宝山ホテル訪問記
私はフツーのサラリーマンとしては年間5回から7回程度と、かなり頻繁に中国に行く方だと思う。おカネがある時は全国展開している某五つ星ホテルに泊まるのだが、瀋陽だけはおカネがあろうがなかろうが宿泊先は決めている。それがこの七宝山ホテルである。
北朝鮮資本が入っているこのホテル、館内に2軒の北レスがあるばかりでなく、客室では朝鮮中央テレビが見られる。また1階には北朝鮮の航空会社である高麗航空のオフィスがあるなど、北朝鮮っぽいものにはこと欠かない。ここを拠点にコリアタウンである西塔に繰り出すのもいいかも知れない。公式サイトはここ。2006年の元日、長春から瀋陽にバスで到着した私はここに宿をとった。七宝山ホテルの中身と過ごし方について紹介する。
ホテルの外観。タクシーの運転手には「十一緯路七宝山飯店」と言えばだいたいわかってもらえる。1階の高麗航空オフィスは元日も二日もお休み。私がここに泊まるとなぜかお休みこのとが多い。でも年末年始は止むを得ない。右端は1階の記念品売店。この画像で見えるのは切手だが、この他に北朝鮮製の朝鮮人参や薬なんかを売っている。2年前はたしかこの売店はなかった。
七宝山ホテルの楽しみの一つが朝鮮中央放送。この日は元日だったため、特別番組が放送されていた。
画面一杯に映し出された労働新聞一面。何かというと、元日恒例の「三社共同社説」である。これをアナウンサーが延々と読み上げ、やっと終わったかと思うと画面が切り替わる。中央の三名の人民は、共同社説は素晴らしいとありがたがっているのである。また右は巨大ユッノリ(朝鮮式すごろく)。なんだかわが国のバラエティ番組を思い出させる光景だ。以前、志村けんのバカ殿で人間が駒になって、サイコロの目によって女性と一緒に入浴できたり、昔女風呂だとお年寄りと一緒に入ったりするのだったが、北朝鮮ではバカ殿も爺も特別ゲストの朝青龍も出てくるわけではなく、子供達が駒がわりになって競っているのだ。決してバラエティではなく全国規模の正式なものだったみたい。
ところで朝鮮中央テレビであるが、いつもは朝鮮時間の夜10時半には終わってしまう。中国は北朝鮮から1時間遅れているので、9時半には終わってしまうことになる。北レスで食事して部屋に戻ったらもう終わっていたって方が普通だ。しかし、大晦日から元日にかけては特別で、新年を迎える10分ほど前から鐘の音で演奏される「金日成将軍の歌(歌詞はない)」に乗せて今年一年の出来事がニュース映像で回想され、日付が変わると同時に画面が真っ赤に染まって「愛国歌」「金日成将軍の歌」「金正日将軍の歌」の順で演奏されるのだ(2003年→2004年当時)。その後いつものニュースアナウンサーが登場し、新年を祝う。この放送は12時40分くらいまで続く。いつか大晦日の朝鮮中央テレビを七宝山ホテルの部屋でずっと見てみたい。
左2枚が2003年大晦日のもの。可愛らしい少女が歌っているが、在日の皆さんの平壌公演の模様を放送しているのだ。チェクカバン(本カバン=ランドセル)という歌を歌っている。「私達のチェクカバンは小さいが、民族の言語、文字、歴史が詰まっている。しかし日本反動どもが民族教育の邪魔をして・・・」という内容。さらに金正日総書記を称える内容の公演。右2枚が年が明けてからのもの。金日成主席の笑顔。一通り音楽の演奏が終わるといつものアナウンサーが登場するわけだ。
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