天津平壌館 要するに焼肉屋さんなのね

1.Feels like the first time

 今回の天津は出張で行ったワケだが、出張のポイントはいかにして夜脱け出すかである。いや修学旅行生でもないのにどうしてこーゆーことを言うかというと、ほれ、私が少し中国語を話せることを知ってて「カラオケ連れてけ」とか、「もう1軒飲みに付き合え」とか言い出す人が必ずいるワケだ。そういった場合の対処法もまあ、あるのだが、今回は随行が業務でもなかったのでわりと簡単に抜け出すことに成功した。

 実は朝のうちに所在地は確認しておいたのだ。人民公園近くマクドナルド(中国語で麦当労)広東路店向かい、1階が「永和豆漿(豆乳屋さん)」の2階なのだ。

マックってのは目印にいいわ。だってみんな知ってるし、あの看板は目立つもんな。で、上の3枚は朝撮った画像である。右端がそのマックの2階から撮ったもの。

2.Why can't this be love

 この日の夜は地元の役人と飲んだのだが、それが8時半くらいで終了。中国人はノり始めると度の強い酒をキョーレツに飲むが、二次会には普通行かないので比較的時間は読みやすい。この日は宴会終了後、平壌館に到着して9時くらいだった。2階に上がるといきなりバッジをつけた責任者と思しき50歳くらいの男性。北朝鮮の人がよく着ている人民服のような服を着ている。「歌は何時からですか?」と聞くと「ウチは歌わないよ。あなた、ここ来るの何回目?」と聞かれたので「いや初めてなんですよ。」というと驚いていた。

 ほどなく接待員同志が登場。座敷に通される。4人くらいがちょうどいい、オンドル用の油紙が敷かれた部屋だ。ロースターの上にダクトがある。このスタイルは我が国でもよく見る。もう食事は終わっていたのであまり多くは注文せず、牛カルビとイカ炒め、最後に冷麺を注文した。

 最初に責任者が言っていたように、ここはホントに歌わないのだそうだ。私のところについてくれた接待員同志もそう言っていた。実は地元の役人との宴会ですでに酔っ払っており、時間もすでに9時ということもあり、そう長くはいられないだろうと判断した私は早速接待員同志に話しかけることにした。

私「アンニョンハシムニカ。」
接待員同志「オモ!!朝鮮語おできになるのですか?」
私「うん。ちょっち。」
接待員同志「日本人ですか?」
私「そうだよ。」
接待員同志「全員(私と同行した友人達のこと)日本人なのですか?」
私「そうだよ。」

これでフツーつかみはオッケーなのだが、どうもこの後様子がおかしくなってしまった。

私「接待員同志はお名前はなんて言うの?」
接待員「う〜ん(あまりいいたくなさそう)。」
私「わかった。キムさんでしょう。」
接待員同志「はい。そうですお客様。(ホントか?)」
私「下のお名前は?」
接待員同志「う〜ん(また言いたくなさそう)。」
私「わかった!!ギョンスクさんでしょう!!(実は全くのあてずっぽう)」
接待員同志「いいえ。」
私「ソンスクさん?」
接待員同志「いいえ。」
私「ミョンスクさん?」
接待員同志「お客様は『スク』のつく女性がお好きなんですか?」

実は昔付き合ってたナオンが・・・・・いや、そんなことは置いといて、結局名前は教えてくれなかったのよ。



3.I wanna know what love is

  ってなワケで、ここは食事に特化しており、北レス独特の物腰の柔らかい接待を期待してはいけなかったみたいだ。接待員同志の写真も撮らせてはくれなかった。でも食事はおいしい。特に牛カルビはすでに食事の後だったのにバクバク食ってしまった。しかし、その後事件は起こった。

 接待員同志の写真が期待できないと知った私は、店内の様子でも撮ろうかと思い、個室の外にあった竹製のような仕切りの画像を撮ったところフラッシュが光り、ちょうど通りかかった接待員同志を写しこんでしまった。全くの偶然なんだがちょっとラッキーと思っていたら、その接待員同志がスタスタとやってきて

接待員同志「今、写真撮りましたね。」
私「いや、偶然通りかかったから入っちゃっただけだよ。」
接待員同志「消してください。」
私「(デジカメ画像を見せながら)でもほら、人相もこんなカンジだし誰だかわからないよ。」
接待員「消してください(きっぱし)。」

おーこわ。北レスでは接待員同志のいやがることはしないのが原則。これはまあ北レスに限らず社会的常識なのだが、でもここでこんなに叱られるとは思わなかった。やはりここは他店のような接客はしないんだな。制服も実務に徹したものだったし。

実は接待員同志の画像は消さなかったのだ。でもマスクはかけておく。中央はメニュー。お洒落ですね。冷麺は本当においしかった。


4.Ain't no mountain high enough

 というわけで、食事に徹するならここはよい。帰り際に思いついたのだが、最初に会った責任者に頼めば写真の1枚くらい撮らせてくれるのではないだろうか。

私「私達は日本から来ました。記念に接待員同志と写真を撮りたいのですが・・・」
責任者「ああ、いいよ。お〜い(接待員同志達に向かって)、ここに集まりなさい。」

おお!!最初からそうしておけばよかった。時刻はすでに午後10時を回っており、閉店間際だったのだが、洗い場に行っていた同志までも呼び戻して撮影に応じてくれた。接待員同志は全員で5名であることがわかった。下にその時の画像を掲載するが、ご希望通りに顔はマスクはかけておく。でも美人度はそれほど高くないのでがっかりしなくていいよ。あっ!!名刺もらうの忘れた!!酔ってるとこんなもんだな。それよりオレ、出入り禁止にならないだろうな。           
                                         (2004.9.1.訪問)

ほら制服が実務的でしょ?バッジつけてるのがわかりますね。あっ!!小上がりは畳敷きなんだな。行き方は最初に書いたとおり。マックの広東路店を探せばよい。

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