トルクメニスタン旅行記(16=最終回)これからトルクメニスタンを訪ねようとする                      人のために
 情報の少ないトルクメニスタン。私が今回の旅にあたって参考にした資料と、これからトルクメニスタンを訪ねようとする方のための情報をここでご紹介する。

38.参考にした本
@出発前
地球の歩き方’09〜’10 シルクロードと中央アジアの国々 ダイヤモンド社 トルクメニスタンの記事は僅か8ページと少ないが、巻頭の4ページにわたる「未知の国トゥルクメニスタンへ」と題する写真特集が楽しい。ナターシャは私がこの本を持っていることに明らかに気づいていたが、全く関心を示さなかった。珍しくもないのか?観光スポット名にはロシア語が併記してある。
旅行人ノート
シルクロード 中央ユーラシアの国々改訂版  
旅行人編集室 有限会社旅行人
トルクメニスタンは22ページ掲載。「歩き方」よりも情報は細かく多く、アシュガバット市内地図も掲載されている。併記はトルクメン語。ナターシャがトルクメン語をできないことは、この本のトルクメン語を指差した時に「?」という表情をしたことでわかった。

2006年11月発行。細部で現状と食い違った点もあったが、それでも十分に役立つ
旅行人ノートE
シルクロード 中央アジアの国々

旅行人編集室 有限会社旅行人
1999年2月発行。どうして同じ本の古い版をわざわざとりあげるのかというと、ビザ事情やアシュガバット市内の変化を地図で見比べるという楽しさの他に、今回私が訪問したトルクメナバットが改名前のチャルジョウという地名で登場していることが理由だ。10年以上前に購入した本だが役に立った。 
シルクロードの未知国(みちのくに)
緒方修 芙蓉書房出版
1994年5月発行。トルクメニスタン黎明期に日本との交流に尽力した人達のお話。2010年3月現在、日本にトルクメニスタン大使館は未開設だが、当時大使館を作ろうと奔走した人達がいたことをこの本で知った。でもこの人達、その後どうなっちゃったんだろうと思うと夜も眠れない。アマゾンのマーケットプレイスで買える。

A帰国後
TURMENISTAN TO THE HEIGHT OF
THE GOLDEN AGE(英語)
現地書店で購入した堂々370ページに及ぶボリューム、重さとも満点の豪華オールカラー写真集。2005年発行。ドイツで印刷されたもの。ところどころにニヤゾフ先生のありがたいお言葉が挿入されているのもヨい。

ドッカンドッカンに打ち上げられる花火をバックにした独立記念塔やプレジデントホテルは平壌の主体記念塔や人民大学習堂を思わせ、トルクメンバシ宮前を埋め尽くし、巨大なニヤゾフ氏の肖像画をバックに踊る民族衣装の人民達は金日成広場の朝鮮人民のようだ。

表紙は何故かアディダスでキメたニヤゾフ初代大統領。自ら作った25キロのジョギングコース(walk of health)を背景に得意気だ。ニヤゾフ時代のトルクメニスタンがこの一冊に凝縮されていると言っても過言ではない。

リュックに若干の余裕があった私であったが、この本一冊でいっぱいになってしまった。トルクメニスタンに興味のある友人に買って帰れば喜ばれるだろうが、体力に自信のない方は自分用一冊にとどめることをお勧めする。
 
lonely planet Central Asia (英語) この惑星上のガイドブックの中で、トルクメニスタンに関する情報量は最も多いと思われるが英語なんでオレにはちょっと・・・。次回のトルクメニスタン行きまでにはなんとか読破したい。

ただ囲みコラムは比較的平易な英語で書かれており楽しい。401ページの「TEN CRAZY THINGS YOU DIDN'T KNOW ABOUT TURKMENISTAN」はなかなか笑える。



39.参考にしたサイト
トルクメニスタン旅行 激写!
 (個人サイト。
相互リンクやコメントは受け付けていないとのこと、各自ググられたい)
「できるだけ生活感が伝わるサイトにしたかったので、政治的な情報は最低限に」したと管理人氏。しかしトルクメニスタンに対する分析は鋭く、情報量も多い。現地事情もよく調べてある。現地駐在商社マンか、旅行を主に取り扱うライターが書いたという印象。出発前も帰国後も大いに参考にさせていただいた。
infomation site
TURKMENISTAN the golden age
(英語)
官営サイト。トルクメニスタンの最新ニュースが読めるが英語なんでちょっと・・・と思いつつついつい見てしまうのは、次々に竣工する新しい箱物に必ず二代目の肖像画。アンタもスキねえ・・・。 
Wikimapia:Turkmenistan Asgabat 
(英語・ロシア語)
帰国後に発見。自ら見てきた「ナゾの国」をビールを飲みながらweb散歩して懐かしむには最適。ソ連時代の画像もふんだんに見られる。
 DN TOURS (英語) トルクメニスタンの旅行社。“Gallery”で様々な画像が見られるのが楽しい。
 OrexCA.com(英語) タシケントの旅行社“Oriental Express Central Asia”社が運営するサイト。トルクメニスタンのみならず中央アジア各国の情報が見られて楽しい。



40.最後に〜これからトルクメニスタンを旅する人への余計な情報

 本文でも触れたように、観光ビザでトルクメニスタンに入国するためにはガイド、宿泊、移動交通手段全てを予約して、トルクメニスタン側入国審査所で現地ガイドと落ち合う必要がある。個人手配はまずムリなので旅行社を通すことになる。

 私の目的は北朝鮮っぽいものを探すことだったのだが、この国の本来の見所は古代の遺跡である。休みをとる時に、会社の上司から「トルクメニスタン?何しに行くんだ?」と聞かれたら「世界遺産に指定された古代シルクロードのオアシス都市を見に行く。」と言えば上司はすんなりと有給休暇を与えてくれるであろう。「北朝鮮っぽいものを見にいく。」と言っても有給休暇はもらえるだろうが、今後の人事評価に若干の影響を与えかねない。

 また、旅行社もトルクメニスタンと言えば古代遺跡に興味のある客だと思うだろうから、旅行申し込み時に「私は北朝鮮マニアなので・・・」と言えば話が早い。中立のアーチをはじめとする独立後のロキロキスポットを効率的に予定に組み入れてくれるだろう。

 本文でも触れたが日本語ガイドはまだ少なく(私が入国時偶然出会った一人しかいないのではないか)、英語のガイドが付く可能性が高い。従ってナニゲに英語脳を暖めておくとか、ガイドさんに聞きたいことを英文にしておくとか工夫しておくとよいだろう。もし現地語を新たに学びたいという殊勝な方がいたら、トルクメン語ではなくロシア語をお勧めする。そもそも日本でトルクメン語を教えてくれるところって、あるんだろうか?

 レポ(12)で書いたが、トルクメニスタン側Farapからウズベキスタン側Olotまでは徒歩で約1.5キロほど歩かねばならない。私は事前に情報を持っていたのでリュック兼ゴロゴロバッグ一個だけにしておいたが、大きな荷物を持った人は覚悟が必要。

 今回が初めてのトルクメニスタン訪問だったわけだが、あまりにも事前の情報が少なく、私の英語能力も低すぎた。近い将来再訪し、今回行けなかったトルクメンバシ記念国立博物館や独立記念塔内部、それにアシュガバット駅で列車も見てみたい。毎日のように新しい建物の竣工のニュースが流れるアシュガバット。僅かの間隔で街並みも大きく変わっていることだろう。そしてナターシャにも再会していろんなことを聞いてみたい。そして“中立のアーチ”を眺めながらタワ見酒にも挑戦しなきゃな。うん。(2010年3月6日)

                     “本当に北朝鮮っぽいのか?トルクメニスタン旅行記”おしまい。
 
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