トルクメニスタン旅行記(5)対峙する両先生。日本語版ルーフナーマをゲット。
 二日目の午後。ベルゼンキ地区から郊外の競馬場を経由し、再びアシュガバット中心部に戻ってきた。ここからいよいよ初代大統領のロキロキモニュメントが怒涛のように押し寄せるのであった。 
 
 15.独立記念塔でロキロキ
 ベルゼンキ地区から再び市内へ。ホテル近くの中立のアーチと共に私が楽しみにしていた独立記念塔である。
   
 
おお!!ついにやってきた独立記念塔。トルクメニスタンがソ連から独立したのは1991年10月27日である。でもってこの塔の高さが118mなのは、下のドーム部分が27日にちなんで27m、尖塔部分が91年にちなんで91mあるからなのであーる!!10月の10はどこいった!?独立マンセー!! でもって当然のように初代ニヤゾフ大統領の金ピカ像が。独立記念塔を従えているばかりではなく、なんと五頭の鷲まで従えているではないか。
 
五つ頭のキングギドラと、もうどこかで誰かが言っているに違いないコレ。上がキングギドラなら踏みつけているのは双頭のマンダか?この五頭のキングギドラはトルクメニスタン大統領章の真ん中にも堂々と座っている(2009年12月現在、トルクメニスタン政府公式サイトで確認)。 独立記念塔周辺は公園になっており、当然のように噴水があちこちに見られる。またまた噴水・・・。この直前にやや強い雨が降ったこともあり、水はもういいやってカンジ。
おおっ!!ニヤゾフ先生自らの手による著書、ルーフナーマの巨大モニュメントが!!ヨい!!我を忘れて駆け寄るオレ。  うーん。いいねえ。噴水に囲まれたルーフナーマ。自著をモニュメントにしてしまうというこのセンス。独裁者はこうでなくっちゃ。
 ビミョーな角度がついているのがオシャレなワケやね。  近くにはまたまた当然のように先生の銅像が。
この巨大ルーフナーマは、毎晩8時になるとギギギと中が開いて映像と音声が流れる仕組みになっているというではないか!!見たい!!ナターシャに夜再訪の許可をあっさりもらって一旦独立記念塔公園を後にした。

※北朝鮮では・・・平壌の巨大首領様像はよく知られたところであるが、私が訪れた他の主要都市(開城、元山、新義州、咸興、清津)にももれなくあった。また石塔としては世界で最も高いとされる主体思想塔は、その石の数やサイズで金日成主席の誕生日を表しているが、アシュガバットの独立記念塔もその高さに意味を持たせているのが実にヨい。


16.アハルテケ10匹公園にも先生が

 次に連れて行ってもらったのはサッカー場。実は南アフリカワールドカップアジア3次予選で北朝鮮とトルクメニスタンは同じ組に入り、アシュガバットと平壌で一回ずつ戦っているのだ。その現場を見たかったのである。2008年6月2日、遥か平壌から選手達が来てここで戦ったのかと思うとなんだかロキロキする(試合は1対0で北朝鮮の勝ち。ここで鄭大世選手の試合の感想が見られる。)。実はこの会場でその試合が開かれたという確証はないのだが、その12日後に行われた韓国戦がここだったと判明しているので、勝手に断定したのである(このニュース参照)。
 
 
右の画像を見ると、ここにもトルクメンバシの名前が入っていることがわかる(英語名はSAPARMURAT TURKMENBASHI OLYMPIC STADIUM)。ここはFIFAのトルクメニスタンのサイトだが、トルクメニスタンにも「Yokary Liga」という名の国内リーグがあることがわかったり、世界ランクが140位と、香港より一つ上(2009年11月現在)であることがわかったりとなかなか楽しい。

次に行ったのは・・・おおおっ!!馬が10匹!!手元の絵葉書では「10 Akhalteke horses fountain」となっているので「アハルテケ10匹噴水」か!?
   
この日は工事中のようで噴水は止まっていた(裏に瓦礫が積まれていた)が、台座の赤く見える部分を水が流れ落ちる仕掛けになっているのだ その前方には・・・や、やっぱしそうか。黄金の先生が。
   
近づいてみた。アハルテケを10匹従えて得意げな先生。 角度を変えてみた。マントをひるがえし颯爽としている。
   
同じ公園内に水が流れている。水量も多く豪快である。 ここにも現代のバス。観光客が降りてきた。欧米人のようだった。
ニヤゾフ先生は自らの著書ルーフナーマの中でこう述べておられる。「もし忍耐、美、清純さを創造しようとするのなら、アハルテケを見本にすべきでしょう。」うーん忍耐ってことはアハルテケは長距離馬なのか?。一度大井競馬場のダートコースを走らせてみたいものである。でも3000m程度じゃ本領発揮できないか?


17.対峙する両先生
 
アハルテケ10匹公園を歩いていると・・・おや?あれは2代目?実はこのエリア、道路を挟んで初代と2代目が対峙しているのだ。にらみ合っているようにも見えるし対話しているようにも見える。2代目はハトバージョンであり、「ヨッ」と気軽に手を上げているが初代はマントをはおって真面目である。その対比がちょっとマヌケである。
二日目午後になって初代の金ピカ像を目にすることが多くなったが、ナターシャは初代のことをずっと「former president=前の大統領」と呼んでいることに気づいた。初代と2代目が対峙しているこのケースでは「こっちが1stであっちが2nd」と呼んでいた。英語というフィルターがかかっているにしても、過剰な形容詞で大統領を飾ることは最後までなかった。
   
またトルクメニスタンはこの形が好きだ。アハルテケ10匹公園の照明、公園の入り口、ゴミ箱、なぜか歩道にさえこの形。国章と同じこの八角形が至る所で見られた。  

このあと「ルーフナーマを買いたい。しかも日本語版をな。」とナターシャにリクエストすると、「?」という表情を見せたがホテル近くの小さな書店へ案内してくれた。初代ご存命中はトルクメニスタンの書店という書店が著書のルーフナーマはもちろん初代の肖像画やらアレやらで溢れていたらしいが・・・
   
おおおっ!!あるっ!!あるぞ各国語版のルーフナーマが!!日本語版は・・・最上段にあるぞっ!!踏み台に上がって手を伸ばす店員。10マナットかあ。1マナットが35円くらいだから350円。ハードカバーのしっかりしたつくりで中味はともかくこれは文庫並に安い。でも是非買いたかったルーフナーマ日本語版。中国語版もあったが二冊になると重いので買わなかった。朝鮮語版はなかった。

おおおっ!!2代目の肖像画(初代のは廃盤とのこと)。結局初代と同じことをやってるワケだな。値段は・・550マナットって2万円近いじゃないか。!?たっけー。買うのやめた。  
※北朝鮮では・・・日本人に観光旅行が解禁された1980年代末期は、日本語ガイドも「偉大な・・・」という形容詞を付して偉大な方を説明することが多かったが、徐々に減っていった。革命のモニュメントでは説明員が朝鮮語で「偉大な」と言っているのに、あえてその部分を訳さないことさえある。 

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