トルクメニスタン旅行記(8)駅で放し飼い。「AKIRA」って何だ?
 トルクメニスタン三日目。この日は駅を見に行くことになっていた。プチ鉄の私としてはロキロキせざるを得まい。更に午後は中立のアーチに登ることに。
 
 21.白い!白いぞアシュガバット駅!!

 ゆうべ、ルーフナーマの冒頭部分「宣誓」と、第1章を数ページ読んだだけの私だったが、車中、ナターシャに「ゆうべ、ルーフナーマ読んだよ。ve〜ry interesting!!」と、「ve〜」の部分に強〜いアクセントを置いて話したところ彼女は「soですか。それはgoodでしたね。」と真顔で答えるのだった。しまった・・・。スベるとはこういうことか。現在のトルクメニスタンでの位置づけを私自身完全に消化できていないルーフナーマをギャグになどすべきではなかったのだ。「どこがどうinterestingでしたか?」と反撃されないだけよかった。やがて車はアシュガバット駅に到着した。
 
 
私が滞在中に覚えたトルクメン語は「WATAN=お知らせ」と「WOKZAL=駅」だけである。地名もなくただ「駅」。旧ソ連っぽい。そして緑の模様がトルクメニスタンっぽい。 駅の入り口には二代目大統領ハトバージョンが。あんたよう出てきはるなあ。
 
中に入ってみた。豪華である。モスクの内部みたい。でも写真撮っていいのだろうか?ナターシャが係員に確認して「ダメです。」と言っていたが、確認したのって電報電話の窓口担当じゃないか?ちょっとヤブヘビだったか?  撮影禁止は駅の内部のみと解釈し、ホームを撮った。このとき午前10時。直近の出発は13時30分のダショウズ行き(列車番号608)ということもあってか人は少なかった。また16時55分発Atamyrat行き(列車番号95)との表記もあった。Atamyratとはウズベキスタン、アフガニスタン国境近くの街のようである。
   
ホーム側から見た駅舎。「アシュガバット」と書かれている。駅舎もやっぱし大理石なんだな。 貨物はよく外国から入ってくるとナターシャ。この貨車はイランから来たとのこと。1番線は日本の駅のように高くなっていたが、2番線と3番線はヨーロッパのように低くなっていた。 
   
駅を横から見てみた。ビヨーンと青く伸びているのは避難訓練用の救助袋ではなく跨線橋である。  中に入ってみた。ビニルハウスのようでとても暑く、すぐ戻ってきた。
   
切符は駅舎ではなく、同じ敷地内にあるこの建物で買うのだとのこと。国際列車は2009年9月当時運行されていなかった。  駅前広場とは地下道でつながっている。駅の横から降りるようになっている。
 アシュガバット駅は大理石をふんだんに使った白く近代的な駅であった。日本の駅のように頻繁に列車が発着するわけではなく、運がよければ旅客列車が見られるかもと思っていたが今回は残念だった。新しい客車は中国から買っているとナターシャが言っていた。次回見られるかも。待合室には大きなテレビモニターがあり、テレビ番組を流していたようだった。また電光掲示による時刻表があった。

※北朝鮮では・・・平壌駅は外国人用と人民用に明確に分かれており、日本人観光客は当然外国人用にしか入れてもらえない。ただ案内員によっては中央のホール部分の切符売り場や時刻表が掲示された部分を見せてくれることもある。写真撮影は厳禁。


22.駅前広場でもロキロキ。AKIRAって何だ!?

 
 
駅前広場。白い現代社製バスがたむろしていた。現代のバスは本当によく見た。 アシュガバット駅前バス停。なんだかそっけないつくりである。 
   
駅前で目撃した妙にウッディ感覚な建物。印象的だったので撮ってしまった。 「AKIRA」って何だ?実はこの看板は市内でよく見かけており、気にはなっていた。
 ナターシャが私を放し飼いにしてくれたこともあり、駅と駅前広場で1時間費やしてしまった。で、上の「AKIRA」とは日本語によく似た響きであるが、ナターシャによると「トルコの家電メーカーでトルクメニスタンによく輸出している。」とのこと。たしかに滞在中訪問したモスクに置かれたエアコンはこのメーカーのもので、中国でよく見かけるような縦長据え置きタイプのものだった。気になるんでちょっと調べてみた。

 AKIRA−makes life better ・・・「AKIRA」は「世界的ブランドであるAKI HABARA ELECTRIC CORPORATION GROUPの一員である。」ってなことが書かれてないか?AKI HABARA ELECTRIC CORPORATIONって、明らかに秋葉原に由来しているんだと思うが、オレはその存在を寡聞にして知らないし、それが世界的ブランドだなんてことも知らない。ひょっとして「AKIRA」って「AKI HABARA」そのものなのか?とりあえず日本風にしとけと思ったのか?アキバ系よ誰か教えてくれ。

 「makes life better」ってのもどこかで聞いたことがあると思ったら、三菱電機が「changes for the better」だった。キャッチもどことなく日本の家電メーカー風である。我々が気づかぬうちに、すでにサザエさんのスポンサーになってるかもしれない(そんなわきゃない)。

※北朝鮮では・・・ホテルのテレビは日本製だったり中国製だったりするが、街中で家電製品の商業広告を見ることはない。AKIRAも進出していない模様(そりゃそうだ)。でも金剛山や白頭山にSUMSUNGや HYUNDAIの看板が出現する日を思うとちょっとイヤだ。

23.市内最大書店へ

 アシュガバット最大の書店と言われる「Miras」へ。国立アシュガバット大学(略して“アシュ大”。オレが決めた)近く。最大書店とはいえ日本の都市部の私鉄沿線の駅前にある程度の規模である。あいにく店内は改装中だったが、かえって興味深いものが見られた。
     
ルーフナーマの販促用ポップ(みたいなもの)が地べたに置かれていた。 初代大統領先生=トルクメンバシによるありがたいお言葉(たぶん)が吊り下げられていた。「Ruhy」が「魂」という意味であろうことになんとなく気づいた。 
   
2代目のありがたいポートレイトは地べたに置かず、テーブルの上にとりあえず置いとけってか。   Mirasの外見。ガラス窓のバッテンが工事中を物語っている。

 昨日、ホテル近くの書店で見た2代目の肖像画は額に入った立派なものだったが、ここではけっこうテキトーに販売しているんだとこのときわかった。ルーフナーマも販促用ポップとはいえそのへんにテキトーに置かれている。ここでは絵葉書3セット、アシュガバット市内地図、トルクメニスタン全土地図、「TURKMENISTAN to the heights of the golden age」という370ページに及ぶB4サイズくらいのチョー立派な写真集(2005年当時のものなのでニヤゾフ初代大統領が頻繁に出てくる)、「卓上カレンダー2009・大統領と馬」を購入した。全部で92マナット。約3,000円。

※北朝鮮では・・・改装中とはいえ、偉大な方の著書をぞんざいに扱うことはないだろう。肖像画はもちろん、偉大な方のバッジも売り物ではない。平壌で案内員に「バッジを売ってくれ。」と言った人がいるやに聞いておるが、どういう答えが返ってきたかは定かでない。

 

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