延吉柳京飯店訪問記

北朝鮮と国境を接する延辺朝鮮族自治州の州都、延吉市。ここには北レスが数軒あるが、その中でも最もグレードが高いと私が勝手に決めたのがここである。いや、延辺どころか中国全土の北レスの中でもここが一番であろう。

私は延辺州関係者と会食する機会が時々あるのだが、ここを公式の接待宴の場所に指定してくることがよくある。また延吉市は夏季の白頭山観光の拠点として、韓国人が大量に押し寄せるところでもあり、夏場は多くの韓国人観光客で賑わう。そんな韓国人もよくここを訪れる。

私が訪れたのは2002年7月下旬。ちょうど白頭山観光の真っ盛りの時期であり、ホテルは韓国人だらけで朝食はレストランだけでは収まりきれず、会議室までも朝食のために使用していた。

この日は夜に訪問したのでちょうど彼女達の歌を聞くことができた。

1曲目はおなじみの「パンガプスムニダ」。定番である。バックのモニターでも歌詞がご確認いただける。この後踊りを挟みながら計5曲歌ったのだが、2曲が民謡、1曲が韓国曲の「朝露」、あとこれも定番の「フィッパラム(口笛)」であった。

選曲について、同席した地元朝鮮族は「韓国人客を意識している。韓国の曲が入っているし、北朝鮮の2曲も韓国を刺激しない内容だ。」と言っていたが、私も同感である。

←ところで地元朝鮮族によると歌が一番上手なのはこの女性だそうである。画像からもわかるように、熱唱型ですね。

←この女性は歌っていると思ったら

踊りだす→

これは「人形踊り」。ゼンマイ仕掛けの人形のような動き。韓国人のお年寄り大喜び。

フィッパラム(口笛)のヒッヒッホホッホーのところ。

この花束で50元取られていたのか。

お客さんと踊ったりとかね。

ところで「諸君!」2003年4月号「凍土の脱北地域を往く」山本皓一氏 によれば、北レス式のチップってのは、花束なんですね。上の画像でも3人の接待員同志が花束を持っていますが、うち一つは店員に促されて持ってったものなんですよ。一つにつき50元(約750円)。私はすっかり舞い上がってしまってさっぱり気付きませんでした。でもあれだけ楽しかったんだから50元くらい、いいっしょ。
←私がお気に入りなのはこの女性。へへ。目線もらっちゃった。「可愛いですね」と声をかけたら照れちゃってたまらんなこりゃ。

私はすっかり舞い上がってしまって、スーツの上着を忘れて来てしまった。幸い公式日程が終わった後だったのでまあよかったが。

この時、柳京ホテルの1階で楽しんだわけだが、2階には個室がある。個室では女性をしっかり見られないから1階の方がいいですぜ。ダンナ。

                               (2002年3月、7月訪問)

←「私たちが白頭山から持ってきました。」と書かれたブルーベリージュースの宣伝文。こういう手作りが北朝鮮っぽいですよね。

現地在住朝鮮族の延吉特派員から画像を
いただきましたので掲載いたします。元々ホテルなんで、一度泊まってみたいもんですな。(2004年9月撮影)