北京朝鮮平壌館訪問記
1)孤独の旅路
北レス調査してて思うんだが、やっぱ一人で行くのは止めた方がいいわ。だって必ず「お一人でいらっしゃったのですか?」って聞かれるもん。それだけならいいけど「どうしてお一人なんですか?」って8割程度の確率で聞かれるのだ。
たしかにコリアン的考えでは一人で外食するってのはお友達のいないとっても寂し〜いヒトだってのはわかる。韓国人も中国朝鮮族も同じことをゆーとる。でもわざわざ「一人で来た理由を問われる」ってのは我々日本人には理解しがたいわな。
そりゃオレにだって友人はいるよ。でも突然とれたお休みでわざわざ中国に来て北レス調査してるヤツってのはあんましいないワケよ。そりゃ誘えば誰かは来るかもしんないが盆休みでもなく年末年始でも将軍様のお誕生日でもないこの時期(8月31日)にそんな奇特なヤツがいるとも思えん。で、北京平壌館である。
2)北の宿から
空振りに終わった月香だったが、突如登場したナゾのおばさんから平壌館の名刺をもらい、バスとタクシーを乗り継いで辿り着いた。事前情報では北朝鮮大使館のそばということになっていたが、歩いて行ける距離ではない。明るく楽しい北レスを目指して大使館街から引越したのだろう。ただ今回わかったのは、「朝鮮民族社員食堂」的性格の多分強い「月香」を除いてはすべて北京市の北東部にあることが判明した。ケンピンスキーホテル、シェラトンあたりに宿をとれば回りやすいのでは?
この華康賓館を目指して行くべし!!全く初めてだったが場所が農展館と長城飯店(シェラトン)の間の「農展館北路」というわかりやすい道路に面していることもあり、タクシーの運転手に名刺の地図を見せたらすぐわかった。地図もわかりやすく書けているし。
3)悲しき願い
てなわけで席に着く。ちょうどお昼時だったが客は半分程度の入り。小柄な女性が寄ってきてメニューを渡すと「お一人ですか?」。や、やっぱし言われた。「そ、そうです・・・」彼女はニコッと笑っただけだった。ちょっと安心した。接待員同志の名前は崔。ふっくらした感じのいい女性である。たぶん赴任して間もないのだろう。中国語はほとんどできないようだ。
まあそんなに腹減ってたワケでもないのでビールとカクテギといきなり冷麺を注文した。ポテチっぽい乾き物が無料で提供されたあたりでちょっと落ち着いて店内を観察。客の中にはバッジをつけていた人もいたが、地元の中国人が多いようだ。中には韓国人観光客と思しき一団もいて、さかんに接待員同志に話しかけている。どこの北レスに行ってもそうだが、韓国人男性客は心の底から接待員同志との会話を楽しんでいるように見える。チといやらしさが見える場合もあるが。
適当に店内がヒマで、接待員同志がお客様のご要望を逃すまいと目を光らせているこういった状態の時が一番写真撮りにくいわ。で、そんな中で撮ったのが下の画像↓
何かって、対面の座席ですよ。カバーに「朝鮮平壌館」と書いてある。もっとまともな画像がないのかと言えばあんまりない。
それからこれは平壌館の入り口。なんだかもともと中華レストランだったみたいなカンジですね。
4)気まぐれヴィーナス
店内には金剛山や白頭山と思われる北朝鮮の風景画が飾られている。夜には歌うのであろうステージの背景には海金剛・・・と思ったら違うんだと。さっきの崔接待員同志が言うには、
「お客様、海金剛はもっと奇岩が林立しているのでございます。あれは朝鮮東海でございます。」だと。
そういうわけで今回唯一の接待員同志の画像がこれ。東海(日本海)の話題にかこつけて一枚だけ撮らせてもらった。やはり彼女は新顔らしく、「写真撮らせてもいいのですか?」とマネージャーらしき男性に聞いていた。
これが崔接待員同志。画像ではわかりにくいが旗の形をした、金日成主席の晩年の顔(眼鏡をかけている)のバッジをしている。
平壌館の制服はピンク。中にはエプロンをかけていた接待員同志もいた。バックの絵は波がどっぱ〜んとしてなかなか迫力ありましたよ。
これが名刺。地図がわかりやすいでしょ。それから面白いのは携帯電話を「ソンチョナ」と表記してあること。直訳すると「手電話」って意味なんですが、こんな言い方は韓国でもしないし中国朝鮮族もしない。私が思うに中国式の言い方である「手機」を朝鮮語に訳したのでは?英語の「handy
phone」かも知れないが。
それから「8点開始平壌美女們的演出」って書いてあるでしょ。やっぱり夜は歌うんだな。やっぱし来るなら夜だな。
ところで崔接待員同志に「柳京冷麺食堂」の場所を聞くと、「知ってる。」とのことで、なんと親切に地図まで書いてくれた。↓
それにしてもこのへたチョな・・い、いやシンプルな構成の地図!!ハングルの読める方は、左下に「平壌館」と書かれているのがわかるでしょう。真っ直ぐ行ってヨンなんとかというホテル(実際は永安賓館)のところを右に曲がってしばらくすると工事中のビルがあって(斜線部)、しばらく行ったところで右に曲がると柳京がある・・・ってそんな説明でわかるかあーっ!!大体今の北京で工事中のビルなんかいたるところにあってもう完成してるかも知れないし・・・。いやいやせっかくのご好意である。
「歩いて何分くらいかかかるの?」と聞いたら「いやあバスで行ったので・・・。私もよくわからないのです。」
や、やっぱしそうか。あとは自助努力だな。ってなことでまだ日差しの強い北京市内を歩きながら気長に探すことにした。ありがとう崔接待員同志。
青島ビール2本にカクテギ、冷麺で45元(約600円)。いいところではないか。カウンターで熊の骨の酒を250元(約3,500円)で売っていたが買わなかった。それよりマイルドセブンなどという反革命的商品を売っていいのか?made in Chinaだったらいいんだろう。(2003年8月31日訪問)